累計閲覧数が46億回超え、世界中にファンを持つ韓国発のダークアクションファンタジーコミック『ノブレス』。日本でも2018年よりLINEマンガで配信されており、愛読しているというファンも多いだろう。
高潔な精神と血統を誇りに栄え、人間を守り支配する“貴族”と呼ばれる不死の超越者たち。その貴族を守護する絶対的存在“NOBLESSE”をめぐる物語が、10月7日よりTVアニメシリーズとして幕を開ける。
820年の眠りから目覚めた“NOBLESSE”のカディス・エトラマ・デ・ライジェルを演じるのは、今作が初主演となる新垣樽助。ライジェルに仕える忠実な執事・フランケンシュタインを演じるのは、『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』の花京院典明役で知られる平川大輔。現在YouTubeでは本編前日譚となる第0話が無料公開されている。
アニメ制作はProductionI.Gが手掛け、人間を守り支配する貴族、NOBLESSEを追い世界征服を狙う謎の組織“ユニオン”が繰り広げる異能バトルはスタイリッシュで見応え十分。さらにシリアスな展開のなか、現代知識ゼロなライジェルの日常がツボを突く絶妙なアクセントとなり、物語とキャラクターの魅力を引き立てていく。
新垣、平川は妖しさもある艶美な表現でライジェル、フランケンシュタインを演じるが、お互いの役をどのように意識していたのだろうか。アフレコエピソードやキャラクター表現のポイントなどをうかがった。
■格好良く演じるほど引き立つユニーク要素
――序盤の数話を視聴させていただきましたが、ダークファンタジーの中に笑いのツボもあり、大変面白かったです。
新垣 0話収録の時点では、スタイリッシュ、ホラーの雰囲気も入ったアクションストーリーという印象だったのですが、改めてTVシリーズの収録を進めてみると、それだけではないな、という印象に変わっていきました。原作のユニークな要素をより大きく取り入れている感じで、1話に一か所、必ずクスっとくる笑いがあるんですよね。それが絶妙なバランスで、僕らが格好良く演じるほど笑いの部分が面白くなる。特にライジェルは口数が少ないので、周りのキャラの言動、対応で格好良くも、面白くも、どちらにも転がっていくんです。おかげで演じるのがどんどん楽しくなっていきました。
――平川さんは作品の印象、いかがでしたか?
平川 すべてマスターのおっしゃる通りです。余すところなく新垣さんが解説してくれました(笑)。当たり前ですが、800年以上も眠っていたマスターは現代のことを何も知らないんですよね。だから、ラーメンに「待っていれば増える」という表現の仕方をする(笑)。そういう力の抜き方、緩急のつけ方が日本の作品とちょっと違う雰囲気で、ガラッと変えたほうがいいのか、どこまでもまじめにやり抜くことで笑いを届けるかたちにすればいいのか。「難しいぞ、これ」と思って、収録に行くまでずいぶん悩みました。作品としてはその笑いとシリアスのバランスが絶妙で、本当に秀逸です。
――ライジェルとフランケンシュタインはどういうキャラクターなのか、2人の関係をもう少し詳しく教えてください。
新垣 ライジェルは人間たちから貴族と呼ばれる種族の中の、さらに一番力の強い存在。絶対的な力で貴族を守る、彼らの守護者です。自分が眠りについたときとはまったく違った人間たちの営みに純粋な興味を持ち、現代の高校生たちと友情を育んでいく。現代社会に慣れていないところがかわいく、NOBLESSEという存在の大きさと相反する二面性が魅力のキャラクターです。ただ、本当にしゃべらない(笑)。
キャスティングされて「よしやるぞ!」と意気込んだのはいいものの、ライジェルは目で語るんですよ。そういうセリフではない演技も好きですが、「しゃべりたかったなあ……」みたいなのも。ライジェルが見つめると、相手がおもんぱかっていろいろ行動してくれちゃうんですよね。
平川 そのおもんぱかって行動するのがだいたいフランケンシュタインです(笑)。フランケンシュタインは、マスターが眠りにつく以前から仕えている忠実な執事。0話ではユニオンの改造人間に対して、「お前たちのすべては私から始まったのだ」という意味深なセリフがあり、いろいろ謎の多い人物です。現代では目覚めたマスターが通うことになる高校の理事長をしています。なので、とってもお金持ち。大豪邸に住んでいて、「マスターのお世話はすべて私がしたい」という気持ちでかいがいしく働いています。
新垣 1を言えば100を理解してくれる。フランケンシュタインはそういう存在です(笑)。