■ライジェルが生む空気感。オモシロCパートは必見

――口数の少なさが“格好良くも面白くもなるところ”とおっしゃいましたが、ライジェルは口数が少ないうえに感情を見せないので、アフレコでの掛け合いは難しくなかったですか? どういうところを意識して演じられたのでしょう。

新垣 相手に気持ちを察してもらうシーンなのか、気持ちを込めたほうが伝わるシーンなのかを考えてますね。あえて気持ちを込めないで、ボソッと言ったひと言から相手に100を理解してもらったほうがNOBLESSEとしての在り方にふさわしいのかもしれないと思うところと、人間の進歩に対して、少年のような純粋な気持ちで感想を言うところを演じ分けています。

 そもそもライジェルは相手に投げるセリフ自体が少なくて、独り言に気持ちがこもるのと、こもらないのと、大きく分ければその2つぐらいなんですよね。言葉が届かずにトントントン……と転がってしまいそうなのを、周りのキャラクターたちがぶわっと拾いにいくという状況なので、確かに掛け合いはふだんの演技とはちょっと違いました。周りのキャストさんたちにとっては厄介なヤツだったかもしれないです(笑)。

平川 セリフ上では1を聞いて100を理解するように演じていますけど、内心は「樽、ラクしやがって」と思っていました(笑)。

新垣 ごちそうさまです(笑)。

――フランケンシュタインは、ライジェルの空気感から生まれるコミカルシーンでの姿が面白いですね。

平川 フランケンはクールとまでいかないんだけど、あまり感情過多になりすぎない演技を意識しています。その反面、コミカルなシーンに関してはまずは振り切った演技を見せて、監督さんたちにジャッジをしていただいていた感じです。だいたい、「やり過ぎなんで抑えてください」となるんですが(笑)。

――エンディングのあとのCパート、あそこは「今回は何がくるんだろうと」と、毎話楽しみになります。

平川 Cパートは本当に弾ける勢いでチャレンジしていました。

新垣 そのあと監督たちの長い会議が始まるんですよ。「今のをどうするか……」って(笑)。

平川 最初Cパートはちょっとしたコミカルシーンという程度だったんですが、確実に面白パートになってからはキャラが崩壊しない域まで振り切って、「フランケン、こんな面もあるんだ」というギリギリ最高値を狙って臨みました。たまに方向間違えましたけど(笑)。

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