■恐怖を加速させた「秀逸な演出」

 単に壁にぶつかって死ぬのならシューティングゲームで障害物に激突するのと変わらない気もしますが、『デビルワールド』は演出が見事。

 自キャラが壁とスクロールの狭間に挟まれて身動きが取れなくなると、キャラが潰されるまでに一瞬の“間”があって、そのあと体がペシャンコに。この何もできずに死ぬのを待つしかない絶望の時間が恐ろしさを助長させていた気がします。

緑色の怪獣キャラがつぶされて死ぬシーン

 さらに『デビルワールド』はBGMも印象深かった。とはいえゲーム中は音楽といえるようなBGMはなく、強制スクロールの効果音といったほうが正しいかも。

 左右に強制スクロールする際は、魔物がローラーのようなモノを回転させる「ウィーン、ウィーン」といった音。こちらはそうでもなかったのですが、上下に強制スクロールするときの「ドクッ、ドクッ」という心臓の音のような効果音がとてつもなく不気味な響きに感じました。しかもステージが進むにつれてこの心音が少しずつ高速になっていき、音でプレイヤーをあせらせてくるのです。

  1. 1
  2. 2
  3. 3