■ゼロワンは縄田さんにしか無理だった
そして迎えた第1話。まず思ったのが、ゼロワンのスーツと縄田さんの体型の相性がバツグンだったこと。これは縄田さんにしか無理だなと思いました。本当に美しく、デザイン画がそのまま飛び出てきた感じ。高岩さんが着たら……と想像してみたんですが、似合います(笑)。似合いますが、ゼロワンのイメージではなかった。やっぱりゼロワンは縄田さんだったんだなと納得させられました。
アクションも今までの平成ライダーとは明らかに違い、360度カメラの演出も相まって「これが令和ライダー1号」というものを見せつけられました。メイン監督の杉原輝昭さんもライダーをメインで担当するのは初めてです。「初」尽くしで“新しいものを作る”という意欲がビシビシ伝わる印象的なスタートでした。
しかし縄田さんのプレッシャーを考えただけでこっちまで胃が痛くなります……。実際、高岩さんと相当比べられてきたと思いますし、僕たちが知らないところでいっぱいいっぱい苦労されてたと思います。そのプレッシャーを乗り越えての、最終回でのあの一騎討ち。さぁ縄田、見せてみろお前の1年を。と。滅が迎え撃つ姿と、高岩さんが後輩を迎え撃つ姿が重なって見えて、僕は朝から何とも言えない気持ちになり泣きました。ただこれって僕の妄想であって、客観的に見たらかなりヤバイ絵面です(笑)。
何より一番グッときたのが、平成ライダーでは主役としてたくさんの怪人たちにライダーキックを放ってきた高岩さんが、ゼロワンでそのライダーキックを受ける側になったこと。散り際が本当に本当に美しかった。基本的にライダーキックをした後は、怪人が着地したライダー越しに倒れ散るという演出がされますが、今回は逆。ライダーキックを受けた滅越しにキックを放ったゼロワンがいて、滅の散る姿がメイン。指の動きひとつで魅せる芝居に、テクニックと感情すべてが乗り、ゆっくり倒れてゆく高岩さん……。その姿は一生忘れません。これでやっとお疲れさまが言える気がしました。
主役は1年前に交代したけれど、悪側として高岩さんがいてくれるだけで全然違ったと思うんです。仕事の引継ぎでいきなり任されるより、前に担当した先輩が数日サポートでいてくれるみたいなあの安心感ですよ。縄田さんも1年主役を演じ、一回りも二回りも大きくなって、後はもう若手で頼むぞ。みたいな感じですかね。もう泣けてきますよ……あ、これも妄想ですので(笑)。