■原作漫画風の演出に注目

 そんなファミコンの『北斗の拳』の良かった点をしいて挙げるなら、北斗神拳の技を出してボスを倒したときに画面にデカデカと「北斗柔破斬」や「北斗百裂拳」など、原作漫画風に漢字で技名が表示されるところでしょうか。ラスボスのラオウを倒した際も、漫画のように「我が生涯に一片の悔いなし」の名ゼリフが現れます。そのあたりの演出は良かったかなぁ。それと「クソゲーに名曲あり」ではないですが、とくに中盤以降のステージの音楽は個人的に好きでした。

おなじみ「北斗百裂拳」でシンの体が爆散……原作ファンはビックリするであろう衝撃シーン

 余談ですが、ファミコンのライバルハードだった「セガ・マーク3」でも、ファミコン版と同じ1986年に『北斗の拳』(セガ)のソフトが発売されています。ゲーム内容もよく似た横スクロールアクションですが、グラフィックの美しさやゲームとしての完成度が違いすぎて、正直セガ版のほうが圧倒的に面白かった。当時このゲームのために「マーク3」を買った『北斗の拳』ファンもいたほどです。

 いや……僕も『北斗の拳』が死ぬほど好きだったら、あのファミコン版『北斗の拳』をもっと楽しく遊べたのかもしれません。最初に紹介したとおり、ファミコン版『北斗の拳』はめちゃくちゃ売れました。それゆえに続編も発売されましたが、さほどクオリティは上がらず。さらに3作目、4作目はゲームジャンルがRPGに変わるという迷走ぶり。

 それでもファミコンで4作も出せたことが、当時の『北斗の拳』人気をものがたっています。もし『北斗の拳』のゲームをほかのメーカーが製作していたら……全然違うゲームになっていたことでしょうね。

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ファミコン『北斗の拳』懐かしのゲーム画面