■アクション要素も激ムズに拍車
もちろん『北斗の拳』の激ムズぶりは、ループする迷路だけが理由ではありません。アクション要素も後半の面に行くにつれて死ぬほど難しくなっていきます……。
このゲームは体力回復の手段が限られているので、ダメージを減らすことがとても重要。しかし、スピードが速すぎて絶対避けられない敵の攻撃のオンパレードです。ゲームにたとえるなら、スピード感がありすぎる『燃えプロ』の絶対取れないフライのような感じ。多少現実とは違っても、目で追えてしっかりキャッチできる『ファミスタ』のほうがユーザーライクなのは間違いないでしょう。
また、ケンシロウのジャンプ力がすさまじく、地上から画面上まで跳べるのはいいにしても、それでもかわしきれない攻撃の数々。「四方八方から飛んでくる謎の飛び道具」「空中を水平に超高速スライディングしてくる不可解な敵の動き」、どうやらこれもバグではないらしい。アクションゲームなのに、まるで弾幕シューティングの敵の弾を避けるような動きが求められます。
同ジャンルのゲームには1年も前に、ファミコンの良作『スパルタンX』(任天堂)が出ていて、「あたた!」という効果音やキャラの攻撃アクションはよく似ているのに、どうしてこうも違うのか。回避するのも困難なほどの理不尽な敵の攻撃を見ながら「これはゲームとして成立していないんじゃないか」と子どもながらに思いました。そのへんの良作ゲームの丸パクリでもいいから、ケンシロウが主人公のちゃんとした『北斗の拳』のゲームをやらせてほしかった……。