■もう1つの人気シリーズも産声!

 そして忘れてはいけないのは、1996年7月19日とかなりの後期に発売された『スターオーシャン』(エニックス)だ。この作品も『テイルズ オブ』シリーズと同様に、その後は人気シリーズに成長を遂げた作品だが、第1弾となるスーファミ版はそこまで大ヒットしたというワケではない。むしろプレステでリリースされた『スターオーシャン セカンドストーリー』で、初めて『スターオーシャン』に触れた人のほうが多いのではないだろうか。

 スーファミで発売された『スターオーシャン』は、『テイルズ オブ ファンタジア』を手がけたウルフチームのメインスタッフが独立して新たに立ち上げた会社「トライエース」が開発を担当。そのため両作のバトルシステムを始め、似ている部分は多い。

『スターオーシャン』はSFとファンタジーを融合させた独特の世界観が魅力で、グラフィックやサウンド、バトル時のフルボイスなど、どれも「スーファミの最高峰」と言っていいレベル。ゲームシステムも凝りまくっていて、「アイテムクリエーション」や「プライベートアクション」など、やりこみ系のゲーム好きにはたまらないシステムが満載だった。

 そんなゲームがどうしてあまり話題にならなかったのかと言えば、やはり発売時期の遅さが挙げられる。1996年7月といえば次世代機のプレステがかなり普及し、半年後には『ファイナルファンタジーVII』(スクウェア)が発売されるというタイミング。任天堂も新ハードの「NINTENDO64」を発売したばかりで、スーファミに注目を集めるのは厳しい時期だったのかもしれない。

 今の最新ハードのリアルなグラフィックも良いが、温かみのあるドット絵や、制限がある中で苦心して作られたサウンドも、スーパーファミコン時代の“ひとつの味”だ。むしろ「あの時代のRPGが好き!」という、自分のような人も中にはいるはず。それに今回紹介した3作品以外にもスーファミ時代の隠れた名作RPGはたくさん存在するので、当時を懐かしみながら、あらためて遊んでみるのはいかがだろうか。

(ふたまん編集部)

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