■異世界転生アニメの先駆けと言えば…?

『聖戦士ダンバイン』が「異世界召喚アニメ」とするなら、「異世界転生アニメ」の原点はどのあたりになるのでしょう。自分が知る中だと、1989年放送のタツノコプロ制作のアニメ『天空戦記シュラト』がもっともそれに近い気がします。

 同作はインド神話をモチーフにしたバトルアクション作品で、当時人気だった『聖闘士星矢』や『鎧伝サムライトルーパー』のようなバトルスーツを着た美形キャラクターたちが戦う作品として知られています。

 日本に住む主人公のシュラト(日高秋亜人)は、空手大会の試合中に親友のガイ(黒木凱)とともに「天空界」と呼ばれる異世界に召喚されます。これだけなら「異世界召喚モノじゃないか?」と思うのですが、実はシュラトはもともと天空界の住人。それも1万年以上前に命を落とした「修羅王」なる人物でした。

 つまり日本に住んでいたシュラトは1万年の時を経て、地球に“異世界転生”した修羅王であり、そのシュラトが再び天空界に戻るという少々ややこしい設定だったのです(ちなみにガイも“夜叉王”の生まれ変わりです)。そんなワケで個人的には『天空戦記シュラト』は「異世界転生アニメ」と判断しました。

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