80年代ロボットアニメが先駆け?「異世界転生」「異世界召喚」アニメのルーツをたどるの画像
画像は『聖戦士ダンバイン』Blu-ray BOX1・ジャケットより

 最近は、毎クールごとの新アニメに必ずといっていいほど「異世界モノ」と呼ばれるアニメが存在し、人気ジャンルになっています。前期アニメなら『本好きの下剋上』、今期は『Re:ゼロから始める異世界生活』などが放送中ですね。

「異世界モノ」とザックリくくっていますが、今回取り上げるのは主人公がその異世界の人間ではない作品。もっと厳密に言えば「異世界召喚&転移」と「異世界転生」作品に分けられます。「異世界召喚・転移」は、主人公がそのままの姿で異世界に召喚されたり、転移するモノ。今人気の『リゼロ』や『この素晴らしい世界に祝福を!』などは、こちらに含まれるでしょう。

 そして「異世界転生」は、もとの世界の記憶を残したまま異世界に新しく生まれ変わり、第二の人生を一から歩むというモノ。『転生したらスライムだった件』や2021年にアニメ化される『無職転生』などはこちらに当てはまります。

「これらの原点とも言える作品はなんだろう」と調べてみたのですが、文献まで含めると、これがまたややこしい。1865年刊行のルイス・キャロルの名作『不思議の国のアリス』や、1950年代に発表されたC・S・ルイスによる『ナルニア国物語』、もっとさかのぼって「古事記」や「浦島太郎」も見ようによっては異世界モノと言えなくもなかったり……。そんなのを掘り下げるのは不可能と判断し、あえて「異世界モノ」と呼ばれるアニメに限定して、なるべくルーツに近いと思われる作品を紹介したいと思います。

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