『ゲゲゲの鬼太郎』第6期「ギャラクシー賞・特別賞受賞」に見る“時代に即した変化”の意義の画像
(C)水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション

 放送文化に貢献した優秀な番組等を表彰する「第57回ギャラクシー賞」が今月1日に発表され、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第6期が「テレビ部門特別賞」を受賞。アニメーション作品の特別賞受賞は史上初の快挙で、関係者の間でも驚きと歓喜の声が上がっている。

 その発表資料によると「50年以上にわたり6回もアニメ化されたことは、テレビ史に残るできごと」「新たなサブキャラクターの登場や、主人公たちの設定の見直しなど、原作を現代社会にあわせる表現上のさまざまな工夫もすばらしい」と受賞理由が明かされ、「社会や時代は変わっても、人間社会が抱えている闇や怖さは、水木しげる原作時代と同じ、普遍的なのだということを教えてくれました」とまとめられている。

 2018年4月から今年3月まで放送された『ゲゲゲの鬼太郎』(フジテレビ系)の第6期シリーズは、アニメ放送開始50周年を記念して制作。長年「目玉おやじ」役を演じてきた声優の田の中勇さんが10年に逝去され、同作ではかつて鬼太郎役を務めたこともある野沢雅子が目玉おやじ役を受け継いだ。

 それにともなってメインキャストも一新。鬼太郎は『ルパン三世』シリーズの峰不二子役で知られる沢城みゆきが演じ、ねこ娘役には庄司宇芽香を抜擢。その脇を固めるねずみ男役には古川登志夫、砂かけばばあは田中真弓、一反もめんは山口勝平、子泣きじじい&ぬりかべは島田敏と、そうそうたるベテラン声優が起用されている。

 そして第6期には、久々の人間側のオリジナルヒロインとして犬山まな(声・藤井ゆきよ)が登場。鬼太郎たちと出会ったことで積極的に妖怪と関わろうとする姿勢を見せ、とくにねこ娘のことを「ねこ姉さん」と呼んで慕っていた。

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