■ドラクエが「ファンタジー世界」を与えてくれた
いずれにせよ、ドラクエ発売当時というのは、ファンタジーの世界はしっかり存在していたものの、そのRPGを体験するというのは、ちょっとハードルの高いことだったんです(「ドルアーガの塔があるじゃないか!」とツッコまれると困るのですが、アクション要素が多分にあって、戦闘システムが異なるので今回は外させていただきました)。
ファンタジーの世界に行きたくても行けなかったところに、敷居の低いファミコンで遊べる本格RPGとして登場したのが、ドラクエだったんですよね。パソコンを持っているような、ちょっとハイエンドなご家庭のお子様しか遊べなかった本格RPGがやっと体験できる! 友達の家でよだれを垂らしながらブラックオニキスを眺めていた日々よ、さようなら! ありがとうドラクエ! ……というわけです。ちなみに筆者はしばらくの期間、午前中ドラクエをやってから高校に行くようになってしまいました……。
その後「剣と魔法の世界」は、ファンタジージャンルとして日本に根づき、今や剣も魔法も創作物にとって、なくてはならない存在になっています。振り返ってみれば、ドラクエが日本文化に与えた影響というのは、本当に大きいものだったのだなぁと、感謝の気持ちを新たにするワケなのです。
(文・VLバス)