■10周年で意外な機種で完全復刻
待望だったファミコン版『パックランド』の発売は、アーケード版の翌年の85年。手早く移植してくれたのは良かったものの、グラフィックの出来はイマイチ。一部のモンスターの演出や、ステージのギミック、クリア時の演出などが削られていたのもちょっと残念でした。まあ、ファミコンのハードスペックを考えれば致し方ナシなんですけどね……。
一方、89年発売のPCエンジン版は、ほぼパーフェクトな出来。そのうえエンディング後にはハードモードの裏面が現れるという、うれしいオリジナル要素までありました。
家庭用機の移植はこのPCエンジン版が完成形に思えましたが、『パックランド』のリリース10周年を迎えた94年に、当時最強のゲーミングPC「X68000」で完全再現版が発売されます。開発したのは雑誌『マイコンBASICマガジン』を出版していた電波新聞社でした。
このX68000版の『パックランド』は、グラフィックもBGMもアーケード版そのもの。しかもゲームセンターさながらに、3つボタンの専用コントローラーも発売するという熱の入れよう。10年もたってから新作ではなく、あえて完全再現版を。それも40万円近くもするマニア向けPCで復刻された『パックランド』は、それだけファンに愛されたタイトルだったワケですね。
余談ですが、本稿を書くにあたって26年ぶりに『パックランド』をプレイしましたが、ラウンド2をクリアするのが精一杯。記憶では華麗に隠しフィーチャーを出現させ、モンスターを連続退治していたのだけど……衰えってイヤだなぁ。
(ふたまん編集部)