■大幅に“進化”を遂げた『パックランド』
アーケードゲームとして生まれた『パックマン』は、Atariのゲーム機やパソコンにも移植され、84年にはファミコン版が発売。その間『スーパーパックマン』『パック&パル』といったシリーズ作も生まれましたが、中でも特に画期的で強く印象に残っているのが、84年にアーケードでデビューした『パックランド』です。
それまでの『パックマン』とはまったく異なる、サイドビューの横スクロールアクションに。そしてアーケードの筐体には方向レバーがなく、左移動、右移動を行う2つのボタンとジャンプボタンという“3つのボタン”を駆使する、斬新な操作感でした。
そして『パックランド』にはキチンとストーリーがあり、迷子になった妖精を保護したパックマンが、フェアリーランドまで送り届けるというもの。パックマンが暮らす街を出発し、森や山、暗闇の建物といったさまざまなステージを駆け抜けていく、ポップでファンタジックな世界観が新鮮でした。
ちなみに主人公のパックマンには手足がつき、顔まである擬人化キャラに大変身。とてもかわいいヤツですが、口しかなかった初代『パックマン』から考えると劇的な進化を遂げていますよね。
そんな『パックランド』は、アクションゲームとしての完成度の高さもさることながら、ステージのあちこちに隠されたボーナスフィーチャーを見つけ出すのが醍醐味。消火栓やサボテンなどの障害物を押すと、いろんなアイテムが出現。フルーツや風船などの得点アイテムから、透明化やヘルメットなどの便利なお助けアイテムまで入手できました。
ステージのゴール地点では、ボーナス得点が獲得できるというプチ要素も! これは各ステージのゴールの場面でタイミングよくジャンプを決めると、最大で7650(ナムコ)点がもらえるという内容。
かなりシビアなタイミングでジャンプをしないと7650点は出ないので、ゲームセンターのギャラリーを沸かせる最大の見せ場でもありましたね。
『パックランド』は、プレイヤーを飽きさせない細かな裏技的な要素やギミックが盛りだくさんある、まぎれもない傑作でした。