■やりこむほどにハマる“スルメゲー”
『忍者くん』は、やみくもに真正面から手裏剣を投げても敵に勝てないゲームで、数回遊んだレベルでは“難解なゲーム”という印象もやむなし。……いえ、実際はゲームをやりこんでいくほど、さらに難解なゲームだと思い知らされるんですけどね。
忍者くんの能力は、最弱の敵の「黒子」と同等なので、実力以上の敵を倒すには、体当たりジャンプで気絶させ、その隙を突くことが必須になります。しかし、このゲームの敵キャラは、忍者くんから距離をとったり、何なら向こうも体当たりジャンプでこちらの気絶を狙ってくるので、やっかい極まりない!
さらに、こちらがジャンプで上方に逃げようとするのを察知して、そのルートに飛び道具を“置き”に来たりと、「中身は人間じゃないの?」と思うような驚きの思考ルーチンを披露してくれます。まるでコンピュータと駆け引きをしている、そんな不思議な感覚でした。
アクションゲームの敵といえば、ある程度決まった動きをしてくるのが当たり前の時代です。動作を一度頭に叩きこめば対処できましたが、『忍者くん』の敵はこちらの動きに合わせて行動パターンを変えてくるため、その手が通用しません。
■多彩な敵がもたらす「ステージの変化」
また、『忍者くん』には岩山、グレーの岩山、お城の3ステージしか存在しません。特別なギミックとしては、光る玉を3つ集めたあとにスコアを増やすボーナスステージがあるくらいで、基本はこの3ステージのループとなります。
そのため「単調なステージ」と言われても仕方はありませんが、このゲームに最大の“変化”をもたらしてくれるのは、登場する個性的な敵キャラクターにあるのです。
ステージが進むにつれて、上から爆弾を落としてくるカブキや、連射性能が高いカミナリを飛ばしてくるカミナリ小僧など、一筋縄ではいかない敵キャラが続々と出現。その中でも、自分が最強だと感じたのは“ヨロイ”という敵キャラです。
なにせこのヨロイ、ふつうに手裏剣を当てても倒すことができず、逆に弓を連射してくるのでうかつに手が出せません。唯一攻撃が通るのは、体当たりジャンプで気絶させたわずかな隙だけなのです。
しかもヨロイは、こちらの下からの体当たりジャンプをいち早く察知し、ジャンプで回避までする始末。10面で初めてこいつに遭遇したときには、どうやったら倒せるのか本気で途方に暮れました。
そんな強敵を相手に試行錯誤した結果、ステージ降下中のヨロイが他のアクションができない瞬間を狙って下から体当たりを繰り出すという攻略法を発見。なんとか撃破できるようになったときは、『忍者くん』の上達をもっとも肌で感じた瞬間でした。