■石川由依と元モー娘。田中れいなの圧巻のボーカル
対して『音楽劇ヨルハ』は、女性キャストのみで送る演目です。ゲーム版の前史である、新型の女性型ヨルハ部隊による「第十四次降下作戦」を描くなか、ゲームにも登場した脱走兵“Ａ２（エートゥー）”の過去が紐解かれます。
『ニーア オートマタ』の主人公は、最新型の女性型ヨルハ“２Ｂ”ですが、“Ａ２”はこの“２Ｂ”のプロトタイプ。そのため、“２Ｂ”と“Ａ２”の容姿は酷似しています。
“Ａ２”は舞台で描かれる時間軸では「ヨルハ二号」と呼ばれており、彼女を演じるのは、ゲームで“２Ｂ”の声優を務めた石川由依さんで、実に原作ファンのツボを突いたキャスティング。物語ではヨルハ二号が後の“Ａ２”へと変わる、その誕生の瞬間も描かれます。
石川さんは劇場版の公開も控えている、アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のヴァイオレット役などでも知られる人気声優ですが、もともとは舞台で活躍。舞台役者としての彼女を知らない方に、ぜひ二号を演じる凛々しい姿、刀を振るう華麗な殺陣を、見ていただきたいところです。
そして二号とならぶメインキャラクター「ヨルハ四号」を演じるのは、元モーニング娘。の田中れいなさんです。
さながらアニメから飛び出してきたようなビジュアルはすばらしく、上演当時のＳＮＳでは、彼女の２次元感あふれる姿に目を奪われたというコメントが続出。ニーハイ、厚底ブーツで大剣を振り回す“ギャップ萌え”なアクションは必見のポイントです。
またこの舞台では、田中さんが舞台『ヨルハ』の人気楽曲『ガダルカナル』をライブさながらに歌い上げるシーンも！ モーニング娘。のエースとして活躍した彼女が、全キャストによる群舞の中でマイクを握る姿は、圧巻のひと言です。
さらに『音楽劇ヨルハ』には、原作での歌唱担当のエミ・エヴァンスさん、河野万里奈さんも参加。ギター、バイオリン、ピアノの生演奏を受け、情感豊かな歌声を響かせます。
『少年ヨルハ』と同様、こちらもヨルハたちの“感情”がひとつのキーポイントとなり、ヨルハ十六号（持田千妃来）、ヨルハ二十一号（花奈澪）を含めたヨルハ４人のドラマは重く、切なく、見ているこちらの心のほうが痛みを覚えるほどでした……。
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