■『もののけ姫』『ハウルの動く城』で迫力の演技を見せた美輪明宏

 投票率9%で第4位に選ばれたのは『もののけ姫』でメスの犬神・モロ役を演じた歌手でタレントの美輪明宏(84)。

 1997年に公開された『もののけ姫』は、死の呪いをかけられた青年アシタカを中心に、ヒトと自然の共存や、善悪では計りきれない人間同士の争いをテーマに描かれた物語。美輪はヒロインのもののけ姫(サン)の育ての親で、山犬の長・モロを演じた。「黙れ小僧」「おまえにサンが救えるか!」などのセリフはいまだに人気が高く、スタジオジブリ公式の「ジブリがいっぱい」LINEスタンプでも、モロは「黙れ小僧」というセリフとともにスタンプ化されている。

 モロを演じた美輪は歌手としてデビュー、舞台など幅広く活躍したが、声優としては『もののけ姫』での出演が初めて。モロ役では東京スポーツ映画大賞助演男優賞を受賞した。以降も2005年から『オーラの泉』(テレビ朝日系)で愛の伝道師としてお茶の間に広く人気を集め、2015年には『第66回NHK紅白歌合戦』に史上最年長として出演した。2019年9月、脳梗塞を発症し入院という事態となったが、昨年末公の場で復帰を果たした。

 なお、今回のランキングで美輪明宏は、2004年公開の映画『ハウルの動く城』の荒れ地の魔女役でも全体の3%の支持を集めてランクインしている。

 第3位は、第11%の票を得た『紅の豚』マダム・ジーナ役の加藤登紀子(76)。

 1992年公開の『紅の豚』は、深紅の飛行艇を操る豚のポルコ・ロッソが主人公の、クールな大人向けファンタジー作品。加藤はアドリア海のマドンナ的存在であるマダム・ジーナを演じた。加藤は作中でシャンソンを代表する名曲「さくらんぼの実る頃」をジーナとして歌っており、さらに同作のED曲「時には昔の話を」も担当した。ヒロイン役を演じる役者本人が主題歌を歌うのは、スタジオジブリ作品では初めてのことである。

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