『男坂』に『ライジングインパクト』も…早期連載終了からまさかの再始動! 苦難を乗り越え完結した「ジャンプ黄金期の隠れた名作」の画像
Netflixシリーズ「ライジングインパクト」キービジュアル

 『週刊少年ジャンプ』(集英社)全盛の時代には数々の伝説的漫画作品が連載され、「ジャンプ黄金期」などと呼ばれている。後世に多大な影響を及ぼした傑作・名作が生まれた一方で、惜しくも連載が早期終了してしまった作品も少なくなかった。

 だが、連載終了後も根強い人気に支えられ、一度は未完に終わりながらも奇跡の復活を遂げ、見事完結した作品も存在する。

 今回はそのような苦難を乗り越えて、見事に完結を迎えることができた隠れた名作たちを紹介していこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます。

 

■30年の時を経て未完から完結へ…『男坂』

 車田正美氏といえば、『聖闘士星矢』『リングにかけろ』といった有名なジャンプ作品を世に送り出してきた人気漫画家だ。

 バトル作品に定評のある車田氏は、1984年から『男坂』を連載開始。男たちが繰り広げる硬派なケンカ勝負と熱き友情劇を描いている。

 本作は、無類のケンカ好きである主人公・菊川仁義が、ある敗北をきっかけに伝説のケンカ屋へ弟子入りし、己の弱さを克服して成長していく物語だ。

 当初は日本国内の強敵たちを相手取っていた仁義だが、やがて軍団をまとめ上げ、世界の強豪と対決するなど、物語は回を追うごとにスケールアップしていった。

 車田氏も並々ならぬ熱量を注いでいた作品であったが、本作はわずか半年という短期間で連載終了となってしまう。この結果には作者自身も悔しさをにじませており、ラストシーンの見開きには堂々と「未完」の2文字が刻まれていた。

 その後、車田氏はジャンプ誌で数々の傑作を手がけることになるが、未完に終わった本作への熱い思いは潰えることはなかった。そして2014年、ついに自身の公式サイトで『男坂』の連載再開が告知されたのである。

 30年もの時を経て、本作は『週プレNEWS』『少年ジャンプ+』(いずれも集英社)といった媒体にて連載され、2023年に見事完結までたどり着いた。

 この連載再開にあたり、公式サイトで車田氏はかつての早期終了を振り返りつつ、「今、この年で“ここまでやるか?”っていうくらい気合いを入れて描いてる」「楽しくてしょうがない」と、本作にかける思いを熱く、力強く語っていた。

 長い月日を経てもなお、当初の想いを貫いて物語を完結させたその執念と情熱は、多くのファンを圧倒し、驚かせた。  

■代表作に阻まれた雑草魂の物語…『CHIBI』

 サッカー漫画の金字塔『キャプテン翼』を手がけた高橋陽一氏。高橋氏は、ほかにもさまざまなスポーツを題材とした作品を世に送り出している。

 1992年から『少年ジャンプ』で連載された『CHIBI』では、1人の少年がボクシングを通じて己の弱さを克服していく成長劇を描いた。

 本作の主人公・仲本智は極端に背が低いことから「チビ智」とからかわれ、その気弱な性格から酷いいじめを受けていた。一時は命を絶つことすら考えた智だが、級友に勧められたことをきっかけに、ボクシングの道に足を踏み入れることになる。

 力なき少年が弱さを克服していく王道のストーリー展開でありながら、対戦相手の内面もしっかりと掘り下げ、最終的には敵ではなく新たな仲間として友情を育んでいく。その展開は、まさに「友情・努力・勝利」で知られるジャンプ漫画の真骨頂だ。弱くちっぽけだった過去を乗り越え、雑草魂で何度も立ち上がる智の姿に心を打たれた読者も多いだろう。

 そんな本作だが、単行本全6巻という短い期間で連載が終了している。その背景には、連載終盤に「Jリーグ」が開幕し、高橋氏の代表作である『キャプテン翼』の再連載が優先され、連載枠が差し替えられるという事情があった。

 異例の理由で早期終了となった本作だが、連載終了後のエピソードは、のちに「完結編」として『週刊少年ジャンプ増刊』(集英社)に掲載され、物語は無事に完結を迎えた。

 作者の高橋氏も、まさか自身の代表作が理由で連載を早期終了することになるとは、予想できなかったのではないだろうか。

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