■兄・一輝との熱き絆と自己犠牲の精神…平和を願うからこそ戦う生き様

 瞬を語る上で欠かせないのが、兄である一輝との熱い絆だ。

 幼い頃、修行地のくじ引きでもっとも過酷とされるデスクィーン島行きを引き当ててしまった瞬。すると一輝は、即座に弟の代わりに地獄の修行を経験した。聖闘士になった後も、瞬が絶体絶命のピンチに陥るたびに一輝が駆けつけるシーンが描かれており、この兄弟の絆は本作の大きな見どころの1つである。

 また瞬は、他者のためなら自らの命を投げ出す自己犠牲の精神を何度も見せている。「黄金聖闘士編」では、水瓶座(アクエリアス)のカミュが放った、相手を氷の柩に封じ込める「フリージングコフィン」で仮死状態となったキグナス氷河を救うため、瞬は自らの命を燃やし尽くすことで氷河の体を温め蘇らせようとした。

 「ハーデス 冥界編」では、“最も清らかな心を持つ人間”として、冥王ハーデスの依り代として肉体を乗っ取られてしまう。しかし、そんな過酷な状況下でも瞬は、自らの魂でハーデスの動きを抑え込み、兄・一輝に向かって「さぁ 僕に構わず…僕の体ごとハーデスの魂を打ちくだいて!!」と懇願するのである。自らの命を犠牲にしてでも地上を救おうとする、彼の強い意志の表れであった。

 どうしたらここまで心優しい戦士になれるのだろうか。それは瞬の生まれ持った性格もあるだろうが、彼とは対照的に厳しさの中に深い愛情を持つ、ある意味“ツンデレ”の兄・一輝の影響が大きいとも思えるのだ。

 

 美しいルックスと戦いを嫌う優しすぎる性格を持ち、その一方で本気を出せば圧倒的な破壊力を誇るアンドロメダ瞬。この凄まじいギャップこそが、長きにわたってファンから愛され続ける理由だろう。

 彼の優しさの奥に秘められた真の強さと漢気には、時代が変わっても胸を熱くさせられる。

 

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