モンキー・パンチさんの漫画を原作とし、テレビアニメや映画などさまざまな媒体で愛され続ける『ルパン三世』。アルセーヌ・ルパンを祖父に持つ主人公・ルパン三世が鮮やかにお宝を盗み出す痛快活劇は、昭和、平成、令和と時代を経てもなおファンの心をつかんで離さない。
さて、『ルパン三世』において、ある意味ルパン以上の人気を誇るのが銭形警部だろう。「ルパン逮捕」を掲げ、人生を賭して宿敵を追い続けるまっすぐな執念と、結局は出し抜かれて取り逃がしてしまうコミカルさを併せ持つ銭形は、本作になくてはならない存在だ。
そんな銭形について、あなたはどれだけ知っているだろうか。多くの人が知る、やられ役としての姿や、映画『ルパン三世 カリオストロの城』で残した名言以外にも、彼にはさまざまな魅力がある。
そこで今回は、知っているようで知らない銭形という男について掘り下げてみよう。
※本記事には作品の内容を含みます。
■銭形平次を先祖に持つ生粋の刑事、作品によっては娘の存在も!?
突然だが、銭形のフルネームをご存知だろうか。作中ではルパンから「(銭形の)とっつぁん」と呼ばれているせいか、彼の本名やそれに連なるパーソナリティに注目する機会は少ないかもしれない。
銭形の本名は「銭形幸一」といい、野村胡堂さんの小説『銭形平次捕物控』シリーズに登場する岡っ引き・銭形平次の子孫という設定だ。アルセーヌ・ルパンの孫を追いかけるライバルとして、いかにもふさわしい背景である。
所属はICPO(国際刑事警察機構)とされており、ルパン専任の捜査官として世界中を飛び回っている。ちなみにICPOへはルパンを追うために出向している形で、本来は警視庁の刑事だ。
銭形平次の血を継ぐ生粋の刑事である銭形だが、プライベートについてはどうだろうか。常にルパンを追いかけているが、気を許せる家族はいるのだろうか。
独身のイメージが強いものの、実は映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』では、警視総監から「たしか娘さんはとしこちゃんだったなぁ もう大きくなったろう」と言われる場面がある。
ただし、作中では一人暮らしをしている様子のシーンも多い。銭形の家族構成については、作品ごとに設定の違いがあると考えるのが妥当かもしれない。
■実はルパン一味を何度も捕まえている! 超ハイスペックな刑事としての実力
ルパン一味に出し抜かれるイメージが強い銭形だが、それは彼らが世界最高峰の泥棒だからに他ならない。そのルパンを追いかけるために世界を股にかける銭形も、刑事としては超一流だ。
柔道五段の腕前を筆頭に、格闘術、逮捕術、射撃とあらゆる技能に精通しており、犯人の行動を読む推理力や勘も並外れている。相手がルパンでなければ……と思わせるほど、実はハイスペックな刑事なのだ。
象徴的なのが、テレビアニメ『ルパン三世 PARTIII』のエピソード「父っつあん大いに怒る」である。
この回で銭形は、ルパンが若い娘を殺したと誤解し、逮捕ではなく射殺するために彼を追う。その過程で斬鉄剣を操る石川五ェ門をあっさり倒しているのだ。本気で戦えば、銭形はルパン一味を圧倒できるほどの実力を持っているのである。いつもルパンが銭形をおちょくりながら逃げるのは、真正面から戦いたくないからなのかもしれない。
銭形によるルパン逮捕劇は、「脱獄のチャンスは一度」や「ルパンを捕まえてヨーロッパへ行こう」などのエピソードでも見られる。このように、銭形は常にルパンに逃げられているわけではないのだ。とはいえ、捕まえるたびにルパンに脱獄されているのも事実なのだが……。


