■無差別に死を振りまく危険スタンド「グリーン・ディ」
第5部では舞台をイタリアに移し、ギャング組織に属するスタンド使いたちの激しい抗争が描かれた。
ギャングをテーマとしていることから死傷者も多く出るパートとなったが、なかでも特に凶悪な能力で多くの命を奪ったのが、ギャング組織「パッショーネ」のチョコラータのスタンド「グリーン・ディ」である。
その能力は、現在地より低い位置へと移動した者に「カビ」を感染させ、肉体を腐らせて崩壊させるというもの。カビの繁殖力はかなり強力で、感染した途端、瞬く間に肉体は蝕まれてドロドロに溶けてしまう。
殺傷力もさることながら、真に恐ろしいのは、このスタンド能力の圧倒的な攻撃範囲の広さにある。カビは宿主を媒体としてどんどん伝染していくため、理論上、効果範囲は無限に拡大していくのだ。
作中で主人公のジョルノ・ジョバァーナ一行をローマで迎え撃った際も、この能力で無関係の市民を巻き込み、街全体に大惨事を引き起こしていた。
弱点として、無機物には作用しない点と、性質上、高い位置へ移動する相手には効果がない点が挙げられる。とはいえ初見時に「低い位置に移動する」という発動条件に気付ける人間は、そうそういないはず。ほとんどの人間は、何が起こったかも理解できないままカビの餌食になり、命を落とすことになる。
元医者でありながら命の重みをまるで考えないチョコラータだからこそ、この無差別大量殺戮能力を最大限に引き出せたのだろう。
『ジョジョの奇妙な冒険』では、相手のスタンド能力の謎を読み解き、その性質を探っていく心理戦も醍醐味の1つだ。
今回紹介したスタンドは、いずれも能力の全容が初見では見抜きにくく、正体をつかむ前に息の根を止められかねない凶悪なものばかり。
単純なパワーだけでなく、発動条件や利用するシチュエーションなど、さまざまな要因が絡み合うことで最凶になり得る能力が数多く存在するのも、『ジョジョ』シリーズの面白い点といえる。
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