■過度な詮索の果てに…「好奇心という名の星」に現代ネット社会が見えた!?

 「好奇心という名の星」のエピソードに登場するのは、なんと星そのものが意思を持っている珍しい星「好奇心」だ。この星は巨大な目玉のようなビジュアルで、その名前の通り、異常なまでの好奇心で満ちている。

 走行中、「好奇心」に捕まってしまった999号。星に降りた鉄郎、メーテル、車掌は星から裸になるよう命じられ、仕方なくメーテルが服を脱ぐと、星はさらに「メーテルの中身が見たい」と要求。ついには車掌に対し、ナイフで「メーテルの体を解体しろ」と、恐ろしい命令を下すのだった。

 見慣れない地球人に対して洋服を脱ぐよう命じ、さらにはその体の内部まで見せるよう要求した好奇心の星。その様子は、相手の都合やプライバシーなどお構いなしに、ただ“知りたい”という一方的な欲求で詮索を繰り返す現代人のようにも見える。

 最終的にこの星は、鉄郎に内部をのぞき返されたことで恥ずかしさのあまり自爆してしまう。一連の出来事は、SNSなどで生じがちな過剰な詮索や、ネット上での攻撃の応酬といった現代のインターネット社会を象徴するかのようであり、薄気味悪さを感じたエピソードだった。

 

 松本零士さんが『銀河鉄道999』を通して描いたのは、単なる遠い未来の物語ではない。それは、人間の愚かさや社会が抱える問題点に対する警告でもあったようにも思える。

 残念ながら、そうした警告の多くは現実のものとなり、現代でも解決できない問題は世界に山積みである。

 鉄郎たちが宇宙の旅で目撃した数々の悲劇が、現実の世界で繰り返されないことを祈るばかりである。

 

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銀河鉄道999(1) (ビッグコミックス)
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