■一進一退の攻防!最強バトルの心理戦だった…第5部:リゾット・ネエロ「メタリカ」VSヴィネガー・ドッピオ「キング・クリムゾン」

 『ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風』では、ギャング組織のボス・ディアボロの別人格であるヴィネガー・ドッピオと、暗殺チームのリーダー、リゾット・ネエロが死闘を繰り広げた。両者は、ブローノ・ブチャラティ一行が保護しているボスの娘トリッシュ・ウナの動向を追跡している最中に遭遇することとなる。

 小心者のドッピオは、ボスの指令を受け(実際には二重人格であるディアボロからの指示)、スタンド「キング・クリムゾン」の射程範囲である2m以内におびき寄せようと画策する。

 だが、リゾットの壁は厚かった。彼のスタンド「メタリカ」は、磁力で周囲の鉄粉を身にまとって姿を消せるだけでなく、射程範囲の敵体内の鉄分を操作し、カミソリや釘、ハサミなどを直接生成することが可能。ドッピオの口や喉から刃物が突き出る攻撃は、見ていて痛ましいほどだった。

 一方的にダメージを負うドッピオだが、ボスから分け与えられた能力「エピタフ」を使い、自身に起こる10秒ほど先の未来を予知する。そして彼は喉を引き裂いて自らハサミを取り出すと、予想した攻撃軌道からリゾットの位置を見極め、ハサミで足首を切断することに成功した。

 これで優勢に立ったかに見えたが、体内の鉄分を大量の刃物に変えられたことで急激な酸素欠乏症に陥り、窮地に立たされたドッピオ。さらにリゾットは、切断された自身の足首を磁力で瞬時に接合。無数の鋭利なメスを生み出して放ち、ドッピオに瀕死の重傷を負わせた。

 近くにブチャラティたちが迫っていることを察知したリゾットは再び姿を消すが、ドッピオは手に持ったメスが引っ張られる方向から彼の位置を見抜き、メスを投げつける。だが、なんとリゾットはこれも読んでいた。投げられたメスの先には、自ら切断した足首を転がしてカモフラージュしていたのだ。

 勝負は決したかに見えた。リゾットがドッピオの背後に出現し、いざトドメを刺そうとした瞬間、後方からナランチャ・ギルガの「エアロスミス」の銃弾がリゾットの体を蜂の巣にする。

 これこそがドッピオの狙いだった。彼が投げたメスはブチャラティたちの方向にも飛ばされており、敵の襲撃を警戒したナランチャは襲撃された方向へ呼吸を探知する「エアロスミス」を放つ。酸欠で呼吸が極端に薄いドッピオに対し、激しく呼吸していたリゾットだけが「敵」と誤認され、狙撃されたのである。

 互いに裏をかき続ける逆転劇は鳥肌もので、「エアロスミス」の特性を完璧に利用したドッピオも見事だったが、たった1人でボスをあと一歩のところまで追いつめたリゾットも非常に惜しかった。

 

 『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズは「どうやって勝つのだろう」というハラハラ感に満ちているが、相手の思考を利用した心理戦はとりわけ手に汗を握る。

 他にも、先述した「エアロスミス」と、緻密な時間計算で体を縮小させるホルマジオの「リトル・フィート」のバトルも見応えがあった。極限の頭脳戦があるからこそ、我々読者はページをめくる手が止まらなくなってしまうのだろう。

 

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