■姉探しを条件に…星矢との非情な取引
沙織は自分に従わない相手に対し、ときに冷酷な一面を見せることがあった。その代表例が、星矢との駆け引きである。
聖闘士の修行を終え、ギリシアから帰国した星矢の目的は、生き別れた姉・星華を探し出すことにあった。星矢は沙織にかつての約束通り姉に会わせろと迫るが、沙織は「おまえの姉のことなど私はしりません」と冷たく突き放す。
そして、銀河戦争に参加する気がない星矢に対し、「もしおまえが最後の勝利者になることができたら、世界にほこるわがグラード財団が総力をあげて姉の行方をつきとめてあげる」と取引を持ちかけるのだ。明確な返答をためらう星矢だったが、沙織は「もう返事などきかなくてもわかっています」と、自信満々であった。
星矢の切実な願いを利用し、強引に命がけのバトルへ引きずり込むその手腕は、物語のヒロインとは思えない非情な行動だった。孤児という弱い立場にある者の弱点につけこむ冷徹な態度は、星矢でなくても反発したくなるだろう。
このように、物語序盤における沙織の行動は、傲慢で自己中心的なものが目立っていた。 こうした未熟な面を見せていた沙織だが、聖闘士たちの自己犠牲の戦いを目の当たりにすることで、次第に真の女神アテナとして覚醒していったのだろう。
この機会にぜひ物語の序盤を読み返し、わがままでやりたい放題だった頃の「沙織お嬢様」の姿を振り返ってみるのも一興ではないだろうか。
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