■鬼殺隊の異質さを感じた第6話
さて、今回の討伐対象だった沼の鬼は、かなりクセの強い鬼である。ターゲットの女性を後ろから染みのかたちで追いかける姿や、16歳の少女にしか興味がないという異様なこだわりは不気味そのもの。食べた女性の装飾品を上着の裏にコレクションするという行為は、『鬼滅の刃』に登場する鬼の中でも5本の指に入る気味の悪さだ。
これほどまでに歪んだ偏執的な鬼なのに、炭治郎が真っ先に繰り出そうとしたのが、水の呼吸・伍ノ型「干天の慈雨」(後に明らかになるが、斬られた者に苦痛を与えない慈悲の剣)だったことは、炭治郎の優しい性格をこれ以上なく表している。
ファンブックや派生作品でも沼の鬼はキワモノ扱いをされており、公式ファンブック『鬼殺隊見聞録』では、彼がナルシストであることや、歯軋り癖は人間だった頃からの名残であることなどが明かされた。
またコミックの第4巻に収録された、公式スピンオフおまけ漫画「中高一貫!!キメツ学園物語」では、沼の鬼の設定が明かされた。フードを目深にかぶった沼の鬼はキメツ町に出没する変質者であり、16歳の少女ばかりピンポイントで狙っているとのこと。もし現代に実在したら、とんでもなく危険な人物である。
その変態性にばかり目が行きがちだが、「沼の異空間」「3人への分裂」という2つの異能はかなりの強さを誇る。禰󠄀豆子のとっさの蹴りがなければ、炭治郎は初任務で命を落としていたかもしれない。
SNSでは「初見でこの鬼は厄介」「禰豆子ちゃんがいなかったら死んでたよね…」「炭治郎だから良かったけど、そうじゃなかったら沼鬼を見つけるの大変だろうな」という感想が飛び交った。
また、今回初任務ということで町に赴くことになった炭治郎だが、一般社会の視点から見た鬼殺隊の異質さを実感する回でもあった。鬼の居場所を犬のように探り、その居場所を突きとめて跳躍した炭治郎に対し、和巳は「と、跳んだ 鬼の話 鬼殺隊 本当に……」と発言。政府非公認の組織である鬼殺隊は、世間では噂話や都市伝説程度の知名度なのかもしれない。
少なくとも、鬼の仕業による犠牲者や行方不明者はかなり多いはずであり、都市部と山奥では鬼に対する信憑性が異なるのだろう。作品における「鬼」の立ち位置については考察のしがいがある。
戦いの決着は次回に持ち越しとなったが、炭治郎がどのような感情で沼の鬼や和巳に向き合うかが見どころになるだろう。



