1971年4月に初代『仮面ライダー』が放送されて半世紀以上が経過した。昭和から令和に至るまで、幾多のライダーが活躍し、多くの子どもたちを熱狂させてきた。
筆者が少年時代を過ごした昭和の『仮面ライダー』シリーズには、主役のライダーに負けるとも劣らない強烈なインパクトを誇ったサブキャラクターたちが存在した。しかし、彼らの多くは作中で悲劇的な最期を遂げてしまい、子ども心にショックを受けたものだった。
そこで今回は、昭和の『仮面ライダー』シリーズにおいて、特に悲惨だった「サブキャラクターたちの最期」を振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■自らロケットを爆破して東京を守った『仮面ライダーV3』ライダーマン
『仮面ライダーV3』に登場する「ライダーマン」こと結城丈二は、もともと悪の秘密結社「デストロン」に所属する天才科学者であった。デストロンの最高幹部であるヨロイ元帥は、結城の卓越した能力に嫉妬と脅威を感じ、彼に裏切り者の汚名を着せて処刑しようと画策する。
処刑直前、結城を慕う助手の手で助け出されるが、その際、右腕を失ってしまう。結城は自らが密かに開発していた「カセットアーム」を手術で取り付けるよう助手たちに頼み、無事に手術は成功。しかし、彼らはその後、デストロンによって殺されてしまう。結城は自分を陥れ、仲間に手をかけたヨロイ元帥に復讐を誓うのであった。
結城は自身が開発したマスクや強化スーツを装着してライダーマンとなり、右腕の「カセットアーム」を駆使して戦う。このアームは鉤爪状のフックが付いた「ロープアーム」など、さまざまなアタッチメントに換装可能だった。
ライダーマンのマスクは口元が露出しているタイプであり、身体能力も常人と変わらない。いわば半分は生身の人間のため、その戦闘能力は仮面ライダーV3やデストロン怪人たちには及ばず、戦闘員程度を相手にするのが精一杯だった。
当初はV3を敵視していたライダーマンだが、やがて和解し共闘するようになる。そんな中、デストロンがミサイル一発で島や都市を破壊する「プルトンロケット」で東京を壊滅させる計画を進めていることを知る。
2人はデストロンのアジトに乗り込むも、すでにロケットの発射ボタンは押されてしまっていた。V3が怪人と戦っている間に、ライダーマンはロケットに乗り込むという苦渋の決断を下す。
ここで爆発させれば、V3やアジトに囚われていた人質たちにも危険が及ぶことになる。それを避けるため、ライダーマンは「安全な場所で爆発させてやる」と言い残し、東京から十分に離れた上空でダイナマイトを使ってロケットごと自爆した。
自らの命を懸けて東京や仲間を救ったライダーマン。組織に裏切られ復讐のために戦い始めた男が、最期は正義のために命を捧げたのだ。その勇敢さと悲劇的な結末には、心を打たれたものである。
■捨て身の技でストロンガーの命を救ったヒロイン『仮面ライダーストロンガー』電波人間タックル
『仮面ライダーストロンガー』において、主人公・城茂(仮面ライダーストロンガー)の頼れるパートナーとして活躍したのが、岬ユリ子が変身する「電波人間タックル」だ。
公式には仮面ライダーとしてカウントされていないものの、正義の心を持ち、悪の組織と戦う改造人間という点では、シリーズ初の女性ヒーローといえる存在だった。
テントウムシをモチーフにしたヘルメットと妖艶なスーツ、優しく可憐な素顔、そして危険を顧みず秘密結社「ブラックサタン」に立ち向かう雄姿は、多くの視聴者の心を掴んだ。特に、必殺技「電波投げ」はポーズも含めてカッコよかった。
第1話から登場し、ストロンガーと共に長く活躍してきたタックルだったが、第30話「さようならタックル!最後の活躍!!」で、あまりにも突然の最期を迎える。
敵勢力「デルザー軍団」の改造魔人・ドクターケイトとの戦いにて生身の身体で対峙したユリ子は、致死量の毒液を全身に浴びてしまう。その毒はユリ子の体を徐々に蝕んでいくもので、ドクターケイトから「やがてお前は死ぬのさ」「暴れれば暴れるだけ毒の回りは早くなるよ」と、死の宣告を受けてる。
アジトを脱出したユリ子は時折苦しそうにしながらも、城には悟られないように気丈に振舞う。
そして、ストロンガーとドクターケイトが対峙するクライマックス。毒の攻撃によってストロンガーは劣勢になっていく。するとタックルは彼を助けるために最後の力を振り絞り、捨て身の必殺技「ウルトラサイクロン」を放ち、ドクターケイトを打ち破った。
だが、この技を出した代償はあまりにも大きかった。タックルはその場で倒れ込み、静かに息を引き取ってしまうのである。
毒に侵されながらも、自分の命を犠牲にしてまでストロンガーを救ったタックル。その雄姿に涙が止まらなかったファンは多いだろう。


