2026年4月5日から、フジテレビ系にて全編再放送が行われているテレビアニメ『鬼滅の刃』シリーズ(毎週日曜朝9時30分放映)。主人公・竈門炭治郎やその仲間たちの物語をあらためて追っている人も多いのではないだろうか。
「柱稽古編」や「無限城編」を見た上で、久しぶりに「竈門炭治郎 立志編」を視聴していると、「少しでも展開が違ったら、運命は大きく変わっていたのでは?」と思わされる分岐点がいくつもあることに気づく。
たとえば、「柱稽古編」では水柱・冨岡義勇と錆兎が、かつて鱗滝左近次のもとでともに研鑽した友人同士だった事実が明かされる。もしも最終選別で錆兎が生き残っていたら、水柱になっていたのは冨岡ではなく錆兎のほうだったのかもしれない。
今回は運命のイタズラに翻弄されて“叶わなかったif”に思いを馳せ、本編の物語とは異なる『鬼滅の刃』の世界の可能性を探ってみたい。
※本記事には作品の内容を含みます。
■最初に会った柱が冨岡ではなかったら?
「竈門炭治郎 立志編」第1話「残酷」では、炭を売りに山を降りた炭治郎が翌日家に帰ると、禰󠄀豆子を除く家族全員が何者かに惨殺されていたという衝撃的な幕開けが描かれる。
炭治郎は唯一ぬくもりがあった禰󠄀豆子を背負って医者のもとに向かうが、鬼となってしまった彼女に襲いかかられてしまう。その時現れたのが水柱の冨岡義勇だった。冨岡は互いをかばい合う兄妹の姿に可能性を見出し、鱗滝左近次を紹介する……というのが第1話のあらすじだ。
もしこの時に出会った柱が冨岡ではなかったら、禰󠄀豆子は問答無用で殺されていた可能性が高い。それは第22話「お館様」を見れば明白だ。柱合裁判のために集合した柱たちは、炭治郎が事情を説明しても聞く耳を持たず、禰󠄀豆子を殺そうとした。
あの兄貴肌の煉獄杏寿郎ですら「裁判の必要などないだろう! 鬼を庇うなど明らかな隊律違反!」「鬼もろとも斬首する!」と断言している。
つまり炭治郎たちは初っ端からとんでもないピンチに立たされ、禰豆子は9分の1の幸運で生きながらえたのだ。あるいは、直接禰󠄀豆子を殺すという発言をしていなかった恋柱・甘露寺蜜璃なら思いとどまってくれただろうか……。
■錆兎が生きていたら
上述した通り、炭治郎に剣術の稽古をつけてくれた錆兎が、もし最終選別を生き延びていたらどうなっていたのか……ファンなら一度は考えたことがあるだろう。剣の才能と、おそらく人望もあった錆兎のことだ。生きていたら、水柱になっていたのは彼だったかもしれない。
実際、錆兎は最終選別において負傷した候補者を救うため、藤襲山の鬼をほぼ1人で倒しており、その年に死んだのは彼1人だけだったという。炭治郎の年には20人ほどが受験し、生き残ったのはたったの5人。これこそ錆兎の優秀さを物語っている。
もしも彼が生きていたら、煉獄のように厳しくも男気のあるリーダータイプの柱になっていただろう。その場合、一方の冨岡は口数が極端に少なく、勘違いされやすい性格なので、錆兎のサポートに徹していたかもしれない。そして錆兎は冨岡が周りの人に誤解されないよう、うまく取り持ってくれそうな気がする。もともと仲の良かった2人が、背中を預け合ってともに鬼殺隊で活躍する姿を見てみたかった。
錆兎の死は鬼殺隊にとって、惜しい人材を亡くしたという意味で大きな損失である。しかし、その悲劇を乗り越えたからこそ、冨岡が水柱になるほどの実力を身につけ、同期である村田も無限城までしぶとく生き残り続けたのだろう。それに、きっと名もなき隊士たちの中にも、錆兎に助けられたのをきっかけに鬼殺隊で努力を重ねた者もいるはずだ。


