■ミノフスキー・ドライブの欠陥品が生み出した「幻影の炎」
長谷川裕一氏によるコミック『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』(KADOKAWA)の主人公機「ファントム」は、前述のV2ガンダムと同じくミノフスキー・ドライブを搭載した機体だ。
サナリィの研究所を襲った木星帝国が試作機「F99レコードブレーカー」のデータを回収。それをもとにミノフスキー・ドライブをコピーし、生まれたのが木星帝国製のMSファントムである。
本来ミノフスキー・ドライブによる惑星間航行からのテロ活動を目論んでいたが、ファントムが搭載する未熟なミノフスキー・ドライブの完成度はV2ガンダムの50%程度。もちろんV2が抱えていた欠陥の「光の翼」も発生してしまう。
そのためファントムでは、複数のIフィールド・ジェネレーターによって無理やり光の翼を抑え込むという方法をとった。だがIフィールドが抑え込んだ光の翼は、ミノフスキー・ドライブを起動すると全身の至るところから炎のように漏れ出てしまう。この現象は「ファントム・ライト」と呼ばれた。
ファントムのミノフスキー・ドライブ起動中の負荷は大きく、不安定な機体の連続稼働時間はわずか15分程度。本来実現したかった惑星間航行など到底不可能な失敗作である。
ただし、Iフィールドバリアとしての機能も有するファントム・ライトにより、副次的に対ビーム防御が向上。また、活動制限時間があるとはいえ、ミノフスキー・ドライブが生み出す圧倒的な加速性能は健在で、劇中ではマッハ23で飛来する核ミサイルを、ファントムに乗ったフォント・ボーが見事に迎撃する場面もあった。
今回は『ガンダム』シリーズにおける、欠陥ともいえる機構を有効活用した機体の例を紹介した。さらに視野を広げれば、「EXAMシステム」や「ゼロシステム」の搭載機など、大きなメリットとデメリットを兼ね備えたMSは数多く存在する。皆さんの記憶に残る印象的なMSの欠陥といえば、何を思い浮かべるだろうか。
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