■強さと弱さを併せ持つ桂小五郎『るろうに剣心』

 激動の明治初期を背景に、重い過去を背負いながら「不殺(ころさず)」の信念を貫く緋村剣心の活躍を描いた、和月伸宏さんによる漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。原作人気の高さは言わずもがな、2012年から公開された実写映画シリーズも、原作の世界観の落とし込みやキャラクターの再現度の高さ、そしてアクションの華やかさが高く評価され、絶大な支持を得てきた。

 高橋さんは、そんな実写シリーズの最終章にあたる2021年公開の映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』にて、桂小五郎役に抜擢された。

 桂は、幕末を代表する実在の志士をモデルにした、物語に深みを与える重要な役柄だ。情勢を冷静に見極める知略家としての一面を持ち、静かな佇まいの奥には強い意志と覚悟が宿る。剣心と同じ時代を生きる志士として関わりながらも、時には距離を保ち、そっと見守る優しさも持ち合わせているのだ。

 同時に、血気盛んな志士達とは一線を画す、どこか儚さを感じさせる存在でもある。激動の時代を描く本作において、その静かな存在感はひときわ際立つ。

 そんな桂を、高橋さんはまたしても繊細な演技で表現してみせた。抑制の効いた佇まいや視線、わずかな表情の変化によって桂の内面を雄弁に物語るその演技は、静かな感情表現に長けた高橋さんならではのものだ。特に、ふと見せる笑顔や思いを巡らせる表情からは、言葉にせずとも多くを語る奥行きが感じられ、その内面の豊かさを印象づけている。

 『3月のライオン』『億男』に続き、本作で3作目のタッグとなった大友啓史監督は、キャスティングについて“桂の持つ強さと弱さを調和させることのできる俳優は高橋一生しか思い浮かばなかった”と語る。そうした厚い信頼のもと託された役に対し、高橋さんは確かな演技で応えたのである。

 

 どんな役にも入り込み、カメレオンのように表情を変えながら、役柄の本質を体現してみせる高橋さん。それはクセの強い漫画キャラクターにおいても例外ではなく、二次元の存在を現実世界へと違和感なく落とし込む、高度な演技力が光る。これからもさまざまな役に挑戦しながら、新たな表情で視聴者を魅了し続けることだろう。

 

■『岸辺露伴は動かない』シリーズ劇場版をAmazonでチェック

岸辺露伴 懺悔室 豪華版(初回生産限定) ブルーレイ 全3枚 [Blu-ray]
岸辺露伴 懺悔室 豪華版(初回生産限定) ブルーレイ 全3枚 [Blu-ray]
  1. 1
  2. 2
  3. 3