全員が犯人でもおかしくない…『田鎖ブラザーズ』勢揃いした「サスペンス常連俳優」たちが醸す“不安感”【かんそうの週刊ドラマレビュー】の画像
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 ブロガーのかんそうさんが毎週1回『ふたまん+』にてお送りする、ドラマへの熱い“感想”。今回は、『田鎖ブラザーズ』(TBS系)の第1話、主演の岡田将生さんと染谷将太さん演じる兄弟と、彼らを取り巻く一癖も二癖もあるキャスト陣について語ります。

 今期期待度圧倒的ナンバーワンドラマ『田鎖ブラザーズ』がついに始まってしまった。

 主演を務めるのは、岡田将生と染谷将太。

 まず、この2人が並んだ画が「完全優勝」。このキャスティングを考えた人間全員に酒をおごりたい。ビジュ爆発どころかビジュのビッグバン、特に「兄弟なのに全く似ていないのに、なぜか納得してしまう空気感」が芸術の域。今すぐ銅像にして美術館に飾りたい。

 しかもビジュアルだけじゃない。一筋縄ではいかない、深い闇を抱えた難しい役を2人が完璧にこなしている。岡田将生が演じるのは、神奈川県警青葉署の刑事・田鎖真(まこと)。

 口癖は「めんどくせぇ」。積極的に捜査をする気はサラサラなく、私生活では弟に金をせびりギャンブルに明け暮れ家に転がり込んでくるクソカスヒモ兄貴。だが、時折見せる事件への執着だけは異常。底知れない熱がチラリと顔をのぞかせる瞬間、こいつの本気はヤバいと視聴者はゾクッとする。この時点で俺は岡田将生の虜。もっと、知りたい。もっと彼のことを知りたい。そう思わざるを得ない色気がムンムンに漂ってくる。

■岡田将生と染谷将太が並ぶシーンが癒し

 岡田将生は、その「ダルそうで実は燃えてる」狭間を、表情と仕草だけで完璧に表現している。セリフは少ないのに、ただ画面にいるだけで「こいつ、いつ爆発するかわからん」という緊張感がヤバい。俺が代わりに真の面倒見てやりたい、とすら思った。

 一方、染谷将太が演じるのは、神奈川県警捜査一課の検視官・田鎖稔(みのる)。

 常に冷静沈着、多角的な視点で遺体と事件を読み解く実力派。出世には一切興味がなく、兄には口癖のように「俺は真実にしか興味がない」と吐き捨てる。

 だがその冷静さの裏側には、兄と同じく決して拭えない15年前の記憶が渦巻いている。染谷将太の凄さは、感情をほとんど表に出さないのに、目だけで「この事件だけは絶対に許さない」という静かな狂気を伝えられるところ。検視室で遺体を前に淡々と話すシーンが怖いくらいに美しくて、俺は稔の隣で一緒に事件を解きたい、とすら思った。

 そんな2人が並ぶシーンは、このドラマにおいて数少ない「セーブポイント」。

 正反対の性格なのに、どこか心地よい距離感で通じ合っているのがたまらない。

 兄が「めんどくせぇ」と言いながら結局弟の言うことを聞いている瞬間、弟が淡々としながらも兄の無茶に付き合ってしまう瞬間。

 言葉にはしないが、血で繋がった者だけが持つ“暗黙の了解”がふとした表情から滲み出ていて、俺はただ2人のやり取りを眺めているだけで腸内環境が改善し、血糖値が下がる。

 俺がこのドラマで一番望むのは「兄弟がくだらないことで軽く喧嘩しながら中華料理もっちゃんのラーメンすする」シーンだけ。……は、はやくくれ……。

 ……が、2人以外のあらゆる要素がそれを許さない。このドラマに存在する人間全員が「田鎖兄弟を絶対に普通の兄弟みたいにさせない」ためだけに機能しているのです。

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