■それぞれの役に決定したときの喜び
ーーアシベ役に決定した瞬間は?
松岡 うれしくて、事務所に響き渡るくらいの声で「やったー!」と叫びました。ですが帰り道で急に冷静になって、「私はほんとにアシベなのか?」と考えました。長く愛されてきた作品なので、プレッシャーも感じましたね。
現場に入ると、神月さんもスタッフの皆さんもゴマちゃん愛にあふれていて、現場の雰囲気がとても素敵でした。ここにいれば、私の中のアシベを演じることができる。そう思って自信を取り戻しました。
ーー実際の収録現場では、どんなことを意識していますか?
神月 子どもの頃からずっと大好きなゴマちゃんを演じるので、「自分が愛せないゴマちゃんにはならない」をモットーにしました。いちファンとして、自分が演じるゴマちゃんを好きでいられるか、どうすればみんなに愛されるかを考えていました。
でも、それ以外はあまり考えすぎないようにしています。内側からゴマちゃんと一緒に生きている感覚が強く、台本に細かくタイムを書き込むようなこともあまりないです。映像を見て、セリフ内のカッコ書きの「怒ってキュー!」「慌ててキュー!」といった部分を押さえたら、あとはほぼ台本も見ずに収録に臨んでいます。
ーー確かに、基本的にゴマちゃんのセリフは「キュー!」がほとんどですよね。
神月 そうなんです。ただ、実はシーンによっては「これ絶対喋っているでしょ!」という部分もあるので、それも見どころです。本当に現場が温かくて、いろんなことにチャレンジさせてもらえるので、セリフがないところでもずっとキューキュー言っています(笑)。内側からあふれるものをそのまま出している感じですね。
ーー松岡さんはいかがですか?
松岡 アフレコが始まる前まではプレッシャーもあり、演技の指針が欲しくて過去のシリーズを見てしまいそうになることもありました。ただ、歴代の声優さんならこう演じるだろうというイメージが入ると、自分なりのアシベを演じるのが難しくなってしまいます。そういう意味では、葛藤がありました。
ですが現場に行くと、スタッフの皆さんから「楽しく作品をつくろう!」という空気が伝わってきて、セリフがない場面でもアドリブを入れたりと、自分も楽しく演じることに集中できました。もちろん違うときは「違う」と言ってくださいますが、まずは一回やってみようと思える現場の安心感が、演技にも大きく影響したと思います。


