■最大のライバル宮田は停滞中

 一歩の最大のライバルといえば、多くの人が宮田一郎を挙げるだろう。鴨川ジムでのスパーリングを通してお互いを認め合った2人は、プロの舞台での決着を誓い合った。だが運命のいたずらか、その約束は果たされることなく、一歩の引退をもっていよいよ可能性は潰えてしまう。

 その現実が影響しているのか、一歩引退後の宮田は停滞している。世界へ挑戦するでもなければ、本来のベストウェイトであるライト級に階級を転向するでもない。東洋太平洋フェザー級王者として、現状維持を続けているのだ。

 第1230話からは8度目の防衛戦に臨むも、スパーリングパートナーの今井京介に「プロ失格だ」と言われるほど精彩を欠いた姿を見せる。パンチもフットワークも本来のキレがなく、宮田は挑戦者のパンチを何度も喰らった。

 そんな苦境の中でも彼の脳裏をよぎるのは、対戦相手ではなく、「アイツ(一歩)はリングのどこにもいない」「この先どこへ行く?」と、一歩との約束を果たせない現実への嘆きだ。この試合は宮田の苦悩が滲み出ており、読んでいて非常につらかった……。

 試合は判定で宮田の勝利に終わるが、そこに爽快感はまるでない。第1486話でリカルドのスパーリングパートナーを務めるなど、出番こそあるが活躍に乏しい宮田。彼が再起する日はくるのだろうか。

 

 魅力的なライバルたちが主役として活躍する現在の展開も面白いが、やはりファンが気になるのは本来の主人公、幕之内一歩の今後だろう。

 現役復帰説が根強くささやかれる一歩だが、それぞれの場所で拳を振るうライバルたちに負けじと、その輪に加わる日はくるのだろうか。現在の先に待つ未来に期待したいところだ。

 

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