■変態だけど愛にあふれていた…親子の絆とほろりとする結末
そして『お父さんは心配症』の最終回は、光太郎と安井さんの結婚式で幕を閉じる。しかし、披露宴では予約した部屋に死体(!?)が転がっていたり、来席した仲間たちが次々と暴れ出したりと、いつものように一筋縄ではいかない展開が続く。
それでもラストは、主な登場人物たちが勢ぞろいし「みなさん長い間ほんとうにありがとうございました!!」と、読者へ感謝を述べるページで締めくくられた。連載当時、本作を読んでいた筆者は「本当にこれで終わっちゃうんだなあ」と寂しくなった記憶がある。
振り返れば『お父さんは心配症』は大混乱を巻き起こすギャグ漫画でありながら、感動的な要素もちりばめられていた。たとえば、光太郎の父親が登場して騒動を巻き起こすエピソードでは、実はその行動の裏には「久しぶりに子どもの顔を見たかった」という親としての寂しさが隠されていた。
また、浮島に取り残された典子を助けようと光太郎が奮闘するエピソードでは、結果的に光太郎が典子を救出することはできなかったものの、典子は父の頑張りに感謝し、そっと頬にキスをする場面が描かれている。このように『お父さんは心配症』では、大爆笑のあとに不意打ちのように感動させられるエピソードがあるのだ。
徹底してギャグに振り切りながらも、その根底には確かな親子の絆が描かれている。それこそ、本作が持つ大きな魅力の1つだといえるだろう。
こうして『お父さんは心配症』の最終回は、光太郎と安井さんの結婚式で幕を閉じた。しかし、物語の最後まで光太郎に妨害されてきた典子と北野の恋の行方については触れられていない。
ただ、夢オチではあったが、作中で典子と北野が結婚する幸せストーリーも描かれていたため、彼らもまたきちんと結ばれるのだろう。
その頃には、パピィこと光太郎もだいぶおとなしくなっているかも……そんな未来を想像しながら、本作を振り返ってみるのも楽しいのだ。


