■突如訪れた「魔法の喪失」の余韻と、未来への光明を伝えるラストシーン
そんな本作ですが、みほが魔法を失う瞬間は驚くほどあっけなく訪れます。第24話でファーストコンサートに成功させたララ(みほ)でしたが、魔法のペンとスケッチブックが入ったリュックを紛失してしまうのです。
魔法が使えなくなり、決まっていた仕事も穴をあけるという展開に。子ども姿のみほが泣きながら、マネージャーや社長に電話で「(もう現場へは)行けなくなった」と謝るシーンは、見ていて胸が痛くなります。そして、いつも寄り添ってくれた妖精のピグとモグまでいなくなるという悲しい展開が畳み掛けました。
最終回となる第26話では、ララが消えた後の芸能界のシビアな現実と、残された者たちの喪失感が描かれます。なかでも印象的だったのが、ララの専任スタイリストだったコミさん(小宮山)が、子どもの姿のみほと街で偶然出会い、彼女の正体がララであると直観的に見抜く場面です。
そこで語られた「過去も現在も未来も、全部、今の積み重ね」「大切なのは今だけ」という言葉。それは本作における狂言回し的な役割を担った通称「不思議さん」というキャラがコミさんに伝えていた、みほにとっては特に刺さるメッセージでした。
ピグとモグをみほに引き合わせ、魔法の力を与えて、多くの人々の運命を静かに見守り続けた不思議さん。その正体は最後まで明かされませんでしたが、彼の残した言葉は、魔法を失って日常に戻ったみほの今後の人生への力強いエールとなったのは間違いありません。
魔法はいつか解けるもの――それは魔法少女シリーズにおいて、避けられない現実です。『ファンシーララ』も例外ではなかったですが、「ララの姿は未来のみほである」と見抜いた人物が現れ、その言葉が自分に自信を持てない少女の心を照らしました。
劇的な別れのシーンが描かれなくても、いろいろ考えさせられる余地と、夢から醒めた余韻を与えてくれた『魔法のステージファンシーララ』。そして4月からは、この『ファンシーララ』に続く、ぴえろ魔法少女シリーズの第6作目『魔法の姉妹ルルットリリィ』がスタートします。
昭和に始まったシリーズの最新作が、令和の世にどのような物語を紡いでくれるのか今から楽しみでなりません。


