■ 高田明美の生み出したキャラクターはスタイリッシュに進化
本作の最大の特徴ともいえるのは、同シリーズでは第1作『クリィミーマミ』以来となる高田明美さんの手がけたキャラクターデザインです。
マミがふんわりした淡い「パステルカラー」が基調だったのに対し、ララはシャープでメリハリのある「ビビッドカラー」を採用。ファッションモデルという職業もあってか、頭身もグッと上がり、大人びた衣装も映える抜群のスタイルになっています。
90年代後半のモダンなセンスにアップデートされた秀逸なキャラデザは、新旧両方のファンを魅了しました。
さらに、『赤ちゃんと僕』で監督デビューを果たした大森貴弘さんが同作の監督を担当。心情描写を繊細に描く演出で、ヒロインに魂を吹き込みます。母や姉への憧れと劣等感、学校での悩み、淡い恋心……そういった少女の日常の機微を「魔法」という“非日常”を介して浮き彫りにする手法は見事でした。
『ファンシーララ』における魔法は、あくまでもみほが自分自身を見つめ直すための「鏡」のような存在として描かれ、第3作目の『マジカルエミ』が描いたヒロインの「自立」というテーマを、さらに切実に表現していたように思えます。
■これまでのシリーズの流れを一新した意欲作
キャスト陣からも時代の変化が感じられました。主人公・みほ(ララ)を演じたのは、当時現役中学生アイドルだった大森玲子さん。彼女の等身大のみずみずしい演技が、ララの透明感を引き立てました。
主題歌『LaLaLa~くちびるに願いをこめて~』をはじめ、エンディングテーマや挿入歌も大森さんが歌唱。ちなみにOPとEDの作画は、『クリィミーマミ』や『マジカルエミ』なども手がけたもりやまゆうじさんと、大西貴子さんが担当しています。
脇を固めるキャストも豪華で、みほの母・真美子役を榊原良子さん、芸能事務所の女社長役に田中敦子さんという、強く美しい女性像を体現する声優陣が担いました。
そして驚いたのは、これまでのシリーズで主人公のボーイフレンド的なポジションを担ってきた水島裕さんや、マスコット役でおなじみの三田ゆう子さんらが出演していなかったことです。みほの幼なじみの吉田太郎役を演じたのは女性人気の高い山口勝平さんで、みほが憧れる人気タレントの相川ひろやは石川英郎さんが演じました。
昭和のぴえろ魔法少女シリーズで続いた流れをガラッと変えてきたあたりも、平成の作品としての挑戦だったのかもしれません。


