■「魔法が消える」という美しい余韻を描いた切ないラスト

 『パステルユーミ』は全25話というシリーズ最短の放送期間で終わってしまいますが、非常に濃密な内容かつ実験的な試みに満ちていました。

 コミカルなノリでの荒唐無稽なファンタジー展開だけでなく、時おり挟まれるお色気シーンも話題に。シリーズも4作目ということで、これまでのフォーマットをあえて崩す試みがなされたのかもしれません。

 さらに物語終盤は雰囲気が一変し、「花の国」を救うための命がけの冒険が始まります。最終回に向けた緊迫した展開は、まるでジェットコースターのよう。信頼していた人物の裏切り、いじわるだと思っていた袋小路夫人の情の深さなど、予想できない人間ドラマが展開されます。

 花の国を救う「銀の雫」を守るため、ユーミが最後にどのような魔法を“描く”のか。固唾を飲んでブラウン管のテレビを見守りました。

 そして任務を果たし、花の妖精かき丸とケシ丸は消えてしまいます。ユーミの胸元にある魔法のステッキを収納していたペンダントだけが残されますが、もはや力は失われ、魔法が使えない普通の少女へと戻るのです。

 相棒たちが消え、手元には「使えなくなったアイテム」だけが残るという演出は、「魔法の時間が本当に終わった」という切なくも美しい余韻を視聴者の胸に刻みました。


 最後に主人公・ユーミ役として命を吹き込んでくれた志賀真理子さんについて触れないわけにはいきません。子役出身で透明感あふれる声が魅力だった志賀さんが歌う、主題歌の『金のリボンでROCKして』や『フリージアの少年』は今も耳に残る名曲です。ですが『パステルユーミ』が終わってわずか3年後、志賀さんは19歳の若さで事故により急逝。本当にショックな出来事でした。

 彼女の素敵な歌声や「パステル ポップル ポッピンパ」という魔法のフレーズなど、今もなお色あせることなくファンの心の中で生き続けています。

「パステル ポップル ポッピンパ」というフレーズは『パステルユーミ』ファンの胸に刻まれている (C)ぴえろ
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