1997年にプレイステーション用ソフトとして発売された『ファイナルファンタジーVII』(スクウェア ※現:スクウェア・エニックス)は、日本だけにとどまらず、世界的な大ヒットを記録。2020年にフルリメイク作の第1弾『FF7リメイク』、2024年にはその続編の『リバース』が発売されるなど、いまだに多くのファンから愛されている作品だ。
リメイク版では現行のゲームハードの性能を生かした圧巻の映像表現などが見ものではあるが、やはり『FF7』といえば原点のプレイステーション版を思い浮かべるファンも少なくないはず。
『FF7』を初めてプレイした当時、魔法、召喚、リミット技など多彩な戦闘要素に魅了された記憶は忘れられない。また、昨今のゲームと比べると荒削りな部分もあり、ゲームバランスそのものを破壊するほどの「とんでもない強力な技」が存在したことも、今となってはいい思い出だ。
一撃でボスを沈める召喚獣、MP消費なしで最強技を連発するマテリア、さらにはラスボスすら瞬殺するリミット技も……。今回は、そんなプレイステーション版『FF7』に存在した、ゲームバランスを大きく揺るがした技や戦術を振り返ってみたい。
※本記事には作品の内容を含みます。
■逃げれば逃げるほど強くなる異色の技「チョコボックル」
序盤のグラスランドエリアに出現するチョコボから、ラーニングによって習得できる青魔法の「チョコボックル」。一見かわいらしい名前だが、とんでもない仕様が隠されていた特殊な技である。
実はチョコボックルは、戦闘から逃げた回数に応じて威力が上昇するという特徴を持っていた。つまり、ゲーム中で逃走を繰り返すたびに、この魔法の威力がどんどん高くなっていくのだ。
そのダメージ計算式は「技の使用者のレベル×戦闘から逃げた回数」。たとえばレベル20のキャラが500回逃げていた場合、それだけで9999ダメージの上限ダメージを叩き出す恐ろしい技となる。
チョコボックルをラーニングするには「レベル4自爆」を使うなど、少々複雑な手順が必要だったが、ただ逃げるだけで与ダメージを伸ばせる手軽さは、まさにゲームバランス破壊級。この仕様を知っているプレイヤーの間では、低レベルクリアに欠かせない青魔法としても有名だった。
ただしやはり強すぎたのか、この仕様が存在するのは初代プレイステーション版のみ。後に発売されたインターナショナル版では、「戦闘から逃げた回数=与ダメージ」に変更され、大きく弱体化した。
通常のRPGでは「逃げる」という行動は消極的な選択だが、『FF7』ではその行動が最強クラスの攻撃へと変わる。このユニークな設計こそ、『FF7』の戦闘システムの自由度を象徴する部分ともいえるだろう。
■伝説の“最強召喚”「ナイツオブラウンド」
『FF7』を語るうえで外せないのが、召喚マテリア「ナイツオブラウンド」だ。『FF』シリーズの中でも最強級の“ぶっ壊れ召喚”として知られている。この召喚を発動すると円卓の騎士たちが次々と現れ、連続で敵を攻撃する迫力あふれる壮大な演出が展開される。
1回の攻撃の威力は、バハムート改の「ギガフレア」と同等。その攻撃を連続で13回も繰り出すため、総ダメージは他の召喚獣の追随を許さない。無傷のラスボスすら、ナイツオブラウンド一撃で倒してしまうほどである。
この召喚マテリアを入手するには、本作屈指のやりこみ要素であるチョコボ育成を進め、「海チョコボ」を作り出す必要がある。しかし、その苦労に見合うだけの圧倒的な性能を持っているのもたしかだ。
ちなみに唯一のネックは攻撃演出が長いことくらいで、当時のプレイヤーにとって、この召喚はまさに「最終兵器」のような存在だった。


