原泰久氏による大ヒット漫画『キングダム』は、テレビアニメも第6シーズンまで放送され、現在は「鄴(ぎょう)攻略編」の激闘が描かれている。すでに続編のアニメ製作も決定しており、主人公・信の宿敵でもある天才軍師・李牧率いる趙軍との熱い戦いが待ち遠しいものだ。
さて、本作には数多くの武将が登場するが、個人の武力において最強クラスの達人を挙げるならば、飛信隊副長の羌瘣を外すことはできない。
伝説の刺客一族・蚩尤族の「羌族」出身であり、最強の刺客「蚩尤(しゆう)」の候補として育てられた彼女は、特殊な呼吸法を用いる「巫舞(みぶ)」を操り、一人で大軍を蹴散らすほど。その彼女の剣技は、もはや神業だ。
戦術眼にも長けており、その美貌とカリスマ性で部下たちの士気を高めるなど、武将としてまさに非の打ち所がないキャラクター・羌瘣。
だが、そんな彼女を窮地に追い込んだ猛者たちも存在する。今回は、天才剣士・羌瘣を圧倒するほどの猛者たちを紹介していこう。
※本記事には作品の内容を含みます。
■まさに武神…圧倒的な強さを見せつけた「龐煖」
まずは、趙国の三大天「龐煖(ほうけん)」である。彼は趙軍の総大将を務めているものの、本来は山に籠る求道者であり、生粋の武将ではない。李牧の呼びかけで趙軍の戦いに参加しており、秦国の将軍である王騎や麃公をも討ち取るほどの強さを誇る男だ。
羌瘣と龐煖が初めて対峙したのは「馬陽の戦い」だった。龐煖はたった一人で秦軍に夜襲をかけ、飛信隊を壊滅状態に追い込む。駆けつけた信の攻撃を軽々と受け流し、その隙を突いて背後から斬りつけた羌瘣の剣すらも素晴らしい反応速度で回避してみせた。
自らを「武神」と称する圧倒的な存在感を放つ彼に対し、信と羌瘣は前後から二人がかりで攻撃を仕掛けるも、信は吹き飛ばされて気絶。残された羌瘣は呼吸を深めて巫舞を発動、龐煖との距離を一気に詰めて斬り込んだ。
羌瘣の凄まじい速さは、さすがの龐煖も捉えられないほどであった。羌瘣は呼吸を極限まで深め、必殺の一撃を龐煖の首筋に叩き込む。「殺った」と確信した瞬間、龐煖は直感で動きを読み、大矛でその一撃を防いだ。
それでも羌瘣は必死に食らいつくが、龐煖の圧倒的な力の前に弾き飛ばされてしまう。ついに呼吸が続かなくなり巫舞が解けてしまった彼女は、その直後、周囲で見ていた仲間たちに「お前ら今すぐ逃げろ」「こいつは我々の手には負えん」と叫んだ。
ふだんはクールな振る舞いを見せる羌瘣が声を荒げるほどに、龐煖は規格外の存在だった。しかし、龐煖は逃走を許さず、矛を振り回して仲間たちを瞬殺していく。
そこへ王騎軍の軍長・干央が軍勢を率いて駆けつけ、さらに龐煖を守ろうとする趙軍の万極も現れたことで乱戦となり、龐煖の意識は羌瘣から外れることとなる。
全力を出し切った羌瘣でさえ勝てなかった武神・龐煖。その後、時を経て両者は再び相見えることになるのだが、その激闘も見応え十分なので、ぜひ漫画のほうで確認していただきたい。


