■少女にまとわりつく真っ黒な人物の正体は…『ふたりぼっち』
同じく第4シリーズの第65話「ふたりぼっち」は、幼い女の子が主役の切なくも恐ろしいエピソードだ。
7歳の少女・ユキは母親を亡くし、父親から育児放棄され、おばの家に預けられていた。ある日、ユキの子守りを頼まれた姪のアイは、一晩ユキと一緒に過ごすこととなる。しかしその夜、ユキが突然うなされ、「黒い人がいる」とつぶやくのだ。アイが天井を見上げると、そこには目を見開いた全身黒ずくめの不気味な謎の人物が立っていた。
翌日、アイは帰ってきた叔母に、ユキの母はなぜ死んだのかを尋ねる。そこで明かされたのは、母親が焼身自殺を遂げていたという衝撃的な事実だった。
ユキはまだ母が死んだことを知らず、ただ、黒い人の存在を恐れているようだった。アイがその家を去る間際、窓からアイを見つめるユキの隣には、あの黒い人がいた——というエピソードである。
母の凄惨な最期を知らぬまま、親戚の家で孤独に耐える7歳のユキ。 彼女が怯える「黒い人」の正体は、おそらく焼身自殺を遂げた母親の変わり果てた姿だったのだろう。
また、物語の結末では、その後ユキが親戚の家をたらい回しにされたことが示唆されており、やりきれない悲しさを誘う。もしかしたら今も、母は黒い影となってユキのそばに寄り添い、“ふたりぼっち”で過ごしているのかもしれない。
『怪談新耳袋』は、たとえ見るつもりがなくても、冒頭シーンをチラッと見ただけで気になって視聴者を引き込む魅力がある。怖いと分かっていながらも結末がどうなるのか気になり、震えながら最後まで見てしまうのだ。
今回紹介した3話は、数ある恐怖エピソードのほんの一部である。背筋が凍るようなゾッとする話はまだまだたっぷりあるので、非日常を味わいたい人、スリルを楽しみたい人は、ぜひ各種動画配信サービスで『怪談新耳袋』の世界に触れてみてほしい。ハマってしまうこと間違いなしである。


