■稀少すぎて数百万円で取り引きされているロムカートリッジも!

 残念ながら現在当店にはないのですが、有名なのが『ちびまる子ちゃん まる子デラックスクイズ』(1996年)です。こちら、とにかく数が少なくて、数百万円クラスで取り引きされたりしているようです。

 そもそもネオジオを持っているのは、対戦格闘ゲームやアーケードならではのクオリティを自宅で体感したい、というユーザーがほとんどのはず。そんな人たちが定価の数万円を出してまで、『ちびまる子ちゃん』のクイズゲームを買うとはやはり思えません(笑)。だから、購入した人もかなり少なかったのでしょう、まずお目にかかれないソフトです。

 それから、コンバットものの横スクロールアクションシューティング『メタルスラッグ』シリーズも高値が付いています。とくに1〜3作目は数が少なく、数十万円で売買されていますね。貴重なあまり「偽物」が存在するほどで、先日も、買取依頼のあった系列店から、真贋鑑定について相談を受けました。

 余談ですが、当時の私は『メタルスラッグ』のグラフィックの描き込みに感心していました。そのクオリティは、かつてゲーム会社でドット絵を描いていた私から見ると、まるで命を削って描いているかのようにスゴい。ほかのSNKのゲームとも全然違っていて、むしろアイレムの『海底大戦争』(1993年)という潜水艦シューティングの緻密なドット絵と、共通したものを感じ取っていました。

 まだインターネットもない時代で、そのときは全く知りませんでしたが、あとになってこの2作品には同じスタッフが参加しているとの情報を聞いて、「やっぱりそうか」と納得しましたね……。

 私がドット絵に魅入られたように、『メタルスラッグ』は『ちびまる子ちゃん』とは違い、ネオジオユーザーにも刺さるタイトルだったはずです。では、なぜ数が少ないのかというと、『ネオジオCD』の存在があるかもしれません。

 『ネオジオCD』は1994年に発売された家庭用ゲーム機です。ソフトがCD−ROMとなったことでロムカートリッジよりもずいぶん手軽な価格になりました。

 ただ、読み込み時間がとにかく長くて、とくに格闘対戦ゲームでは1キャラ倒すたびに何分も待たされるので不評だったんです。でも、シューティングの『メタルスラッグ』に関しては、1ステージ一気に読み込んで遊べるので、そういったストレスを感じにくいタイトルでした。それもあって、数千円で買えるCD−ROM版が売れて、数万円もするカートリッジ版は売れなかったのかなぁ……なんて推測してしまいます。

 ただ、『ネオジオCD』でも高値のついているタイトルはあるんですよ。当店では現在、横スクロールシューティング『超鉄ブリキンガー』(ザウルス/1996年)を、完品19万8000円で販売しています。こちらも稀少ゆえに偽物があり、カートリッジの形でも出回っているようなのですが、市販されたのはCD−ROMのみなのでご注意ください。

 ところで、テクノスジャパンに勤めていたとき、私も業務用『ネオジオ』のゲームを開発したことがあるんです! 『くにおの熱血闘球伝説』というタイトルで、おなじみ、ドッジボールのゲームです。憧れのアーケードゲームを担当させてもらえたというので嬉しかったですね。

 ですが、先に海外で『Super Dodge Ball』としてリリースされたあと、日本で発売されるまえに、テクノスジャパンが倒産してしまったんです。そのため、幻のゲームと化してしまいました。ちなみに、マスターロムは、今も私が持っています。

 

※ソフトの値段や状態などは取材時のものです。

 

【プロフィール】
大竹剛(おおたけ・つよし)
「レトロゲーム」に造詣が深い“元ドット絵職人”。ゲームメーカー「テクノスジャパン」で、主に『くにおくん』シリーズにドッターとして参加。現在は「ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店」で店長を務める。本人もレトロなゲームのコレクター。

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