テレビドラマは時代によって流行が変化する。例えば、かつてはお茶の間の定番であった時代劇も、令和の現在では地上波で放送されることは極めて少なくなった。
そんな今ではあまり放送されなくなったドラマの1つに、女学生が悪の組織と戦う「セーラー服アクション」が挙げられる。1985年(昭和60年)から一大ブームを巻き起こした『スケバン刑事』シリーズを筆頭に、当時は制服姿の少女たちが悪の組織を相手にハードなアクションを魅せるドラマが、ゴールデンタイムの定番として放送されていた。
今回は、フジテレビ系列で放送されていた、人気セーラー服アクションの3作品を振り返りたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■鉄仮面に重合金のヨーヨー…異例の女子高生刑事が大ヒット『スケバン刑事』
昭和のセーラー服アクションを語る上で絶対に外せないのが、『スケバン刑事』シリーズだ。1985年に第1作が放送されて以来、劇場版や設定変更を経て4代目まで続いた人気シリーズである。
和田慎二さんの漫画を原作とする本作は、特製の重合金ヨーヨーを武器に悪の組織と戦う「女子高生刑事(デカ)」の活躍を描いた物語だ。女子高生がヨーヨーを鮮やかに操り、悪人たちを成敗していく姿は、当時の子どもたちのみならず大人をも熱狂させた。
初代・斉藤由貴さんに始まり、二代目・南野陽子さん、三代目・浅香唯さんと、当時のトップアイドルたちが主役を務めた。それぞれが数奇な運命を背負い、決め台詞とともに強く美しいヒロイン像を確立した。
特に印象に残っているのは、鉄仮面をかぶって登場した二代目・南野さん演じる主人公・五代陽子だ。幼少期にずっと鉄仮面をかぶせられて生活していたというシュールな設定であり、当時まだ子どもだった筆者は「なんて可哀そうなんだろう……」と、感情移入して見ていたことを思い出す。
そんな過酷な過去の鬱憤を晴らすかのように、「おまんら、許さんぜよ!」という決め台詞と共に大暴れする南野さんは非常にカッコ良かった。
セーラー服は本来、10代の少女の清楚さの象徴であるが、このドラマでは毅然と悪に立ち向かう少女の「戦闘服」として描かれた。そのギャップが『スケバン刑事』を唯一無二のエンターテインメントへと昇華させた要因であろう。
ちなみに、2006年の平成の時代には劇場映画『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』が公開され、四代目・麻宮サキに松浦亜弥さんが抜擢されている。松浦さんはミニスカート丈のセーラー服をクールに着こなし、歴代サキさながらの激しいアクションを披露していた。
■戦う意志がお前を最終兵器に変える! 究極のバイオSF『少女コマンドーIZUMI』
『スケバン刑事』シリーズ終了後、1987年に放送されたのが、五十嵐いづみさん主演の『少女コマンドーIZUMI』である。本作は、謎の組織によって最終兵器へと肉体を改造された五十嵐さん演じる少女・五条いづみが、失った記憶を取り戻すために戦いに身を投じるSFアクションだ。
本ドラマのキャッチコピーは「戦う意志がお前を最終兵器に変える!」であり、ハードなアクションシーンが見どころであった。
いづみは手錠のようなワイヤー付きの武器を振り回し、堤防や山中、教室など多くの場所で敵の組織と格闘する。CG技術がまだ未発達の時代に、走る、飛ぶ、殴る、蹴るといった生身のアクションを五十嵐さんが見事演じきった。
また、『少女コマンドーIZUMI』が、本格的なSF作品であることも特筆すべき点だろう。いづみを改造したのは「R機関」という謎の組織で、彼女の体は極限状態に陥ると、超人的な身体能力を発動する設定である。
通常のアクションシーンだけでなく、こうしたSF的な要素にはワクワクさせられた。それに加えて、バズーカ砲による攻撃や大爆破シーンなど、当時のテレビドラマの常識を超えた迫力ある演出も大きな魅力であった。


