■守るはずだった妹を失ったレイヴス・ノックス・フルーレ
『ファイナルファンタジーXV』のレイヴス・ノックス・フルーレの悲劇は、「守りたかった者を守れなかった」ことから始まる。
ニフルハイム帝国に仕える将軍として、そして本作のヒロインであるルナフレーナ・ノックス・フルーレの兄として、彼は常に複雑な想いを抱えてきた。
彼は故郷を、そして妹を守るために戦っていたはずだった。そんな彼に訪れるのは、“最愛の妹の死”という残酷な現実。守り抜いたはずのものを失った瞬間、彼の信念は音を立てて崩れ落ちる。
「妹はもう 目を開くことはない」。悲痛な叫びとともに放たれるその言葉には、怒りと喪失感が入り混じった複雑な感情がにじむ。さらに、すべてを失い絶望した彼に、帝国の宰相であり黒幕のアーデン・イズニアが襲いかかる。そして、最終的に彼はシガイ化、すなわちモンスターへと変貌してしまうのだった。変わり果てた彼が、自ら「殺してくれ」と乞う姿には、やるせない気持ちにさせられる。
レイヴスは自分の意思で怪物になったわけではない。愛するものを失った末に“変えられてしまった”存在だ。彼の最期は、『ファイナルファンタジーXV』という物語が持つ残酷さを象徴している。
今回紹介した3人に共通しているのは、人間として生きようとした時間が確かに存在したという点だ。
だが世界は彼らに、それを許さなかった。残酷な真実を知ること、世界の理不尽に押し潰されること、愛する者を奪われること。そうした積み重ねが、彼らを“モンスター”へと変貌させてしまった。
こうしたボスモンスターたちが強く記憶に残るのは、彼らが倒すべき敵であると同時に、本当は救われるべき存在だったからなのかもしれない。


