■『ワンパンマン』ハッタリ…?で怪人を自滅させたキング
原作:ONE氏、作画:村田雄介氏による『ワンパンマン』に登場するキングは、ハッタリキャラの代表格だ。彼は戦闘力をまったく持たないのだが、いかにも強そうな見た目と勘違いにより“最強”の座に祭り上げられてしまった不幸な一般人である。
そんなキングが敵と対峙した際は、ハッタリで切り抜けるしかない。とはいえ、本人としては度胸も何もなく、内心ビビりながら発言しているにすぎない。にもかかわらず、周囲の人間はキングの一挙手一投足から勝手に“最強”だと判断し、そして逃げていくのだ。中でも、人間に擬態する怪人と対峙した時は圧巻だった。
人質の子どもに成りすました怪人が現れた際、キングは単独行動をさせられており、極度の緊張から心臓がバクバクしていた。誰もが恐れる「キングエンジン(※ただのデカすぎる心音)」の発動だ。
しかし、キングエンジンは、一般的にはキングが臨戦態勢に入ったときに出す音だと認識されている。おまけにキングは、自分では人質を守れないというプレッシャーから、「近づくなら俺じゃなくて他のヒーローにした方が賢明だ…」「絶望する事になる」と意図せずに意味深な発言をし始める。その意味を取り違えた怪人は、キングに擬態がバレてしまったと勘違いした。
「ヤられる!!!!」と恐怖を感じ、過呼吸を起こして変身体が乱れ、その結果自分の急所にダメージを受けてどろどろに溶けてしまった。
こうして怪人がキングの力を勝手に恐れて自滅する結果になったが、キング自身は何が起こったのかまるで理解できていない。それどころかガタガタ震えながら「怖いよ~」と泣き言をこぼす始末である。本人はハッタリを言っているつもりはないのに、結果的に敵を倒してしまう展開は見事としかいいようがない。
ハッタリやブラフは、少年漫画で描かれる“勝負”の定番描写の1つだ。「ここぞ!」という状況で繰り出されたハッタリがハマった時は、見ていて清々しい気持ちにさせられる。
自信満々の態度で格上の相手を威嚇し、「勝てない勝負を勝ち抜く」度胸は、ある意味戦う人間に欠かせない素質といえるだろう。どんな苦境からも活路を見出したキャラクターたちの勇姿を、ぜひ見習いたいものだ。
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