■闇の底で朽ちることのない孤独『NARUTOーナルトー』飛段

 日本古来に存在した忍に独自の解釈を加え、ド派手な能力バトルが展開される岸本斉史氏の漫画『NARUTOーナルトー』。

 作中では個性的な忍術や特異体質のキャラクターが多数登場するのだが、不死身の特性を活かして木ノ葉隠れの忍たちを絶望の淵に追い詰めたのが、犯罪組織・暁の一員である飛段だ。

 飛段は、銀髪のオールバックが似合うワイルドな男性で、かなり攻撃的な性格をしている。彼は傷を負おうとも、首を跳ねられても決して死ぬことがない。さらに、自身の傷を相手に反映させる「呪術・死司憑血」を併用することで、対面した相手を確実な死へと導いてきた。作中では上忍・猿飛アスマの命を奪うなど、圧倒的な脅威として描かれている。

 そんな彼に引導を渡したのは、アスマ班の一員であった奈良シカマルだ。シカマルは飛段を森の深部へと誘い出し、事前に仕掛けた巨大な落とし穴の上で、彼の体を起爆札によって粉々に爆破。

 不死身ゆえにバラバラになっても死なない飛段だったが、シカマルはそのまま彼を穴の奥に落とし、大量の土砂で封じ込める。飛段は、物理的に身動きが取れず、這い出すこともできない地中奥深くで生き続けるしかなくなったのである。

 ただし、彼の場合、寿命による死の可能性は示唆されているため、まだ救いはあるといえるかもしれない。とはいえ、土の中でバラバラのまま過ごす時間は耐えがたい苦痛だろう。

 

 おとぎ話などでは憧れの対象として登場する「不老不死」。しかし、それを手に入れた者たちが幸福な結末を迎えられるとは限らない。

 死なない体とは、裏を返せば、どんなことがあろうとも決して死ぬことが許されない体でもある。限られた命を持つ我々人間にとっては夢のような存在かもしれないが、場合によっては永遠という時間そのものが最大の“呪い”になり得るのである。

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