ブレイク前のティーン時代「特撮作品」に出演していた人気女優たち 夏帆に宮﨑あおい、長澤まさみ、原菜乃華も…フレッシュな輝きに才能の片鱗が! の画像
長澤まさみ  写真/ふたまん+編集部

 映画やドラマで確かな存在感を放っている人気女優たち。彼女たちの歩みを遡ると、キャリア初期に怪獣映画や戦隊シリーズといった特撮作品に出演しているケースがある。

 巨大怪獣が暴れ、ヒーローが駆け抜ける非日常の世界。そのユニークな現場で、彼女たちは若き日の一歩を踏み出していた。

 今回は、「特撮」という少し特別な舞台で経験を積み、のちの飛躍へとつながっていった女優たちの原点を振り返る。あどけなさの中に確かに宿っていた才能の片鱗、その輝かしいキャリアのスタート地点を覗いてみたい。

※本記事には各作品の内容を含みます

■怪獣映画の中で際立った等身大の少女『小さき勇者たち~ガメラ~』夏帆

 先日最終回を迎えたドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)に出演し、竹内涼真さんとのW主演も話題となった夏帆さん。彼女のキャリア初期における代表作のひとつが、『小さき勇者たち〜ガメラ〜』(2006年)で演じたヒロイン・西尾麻衣である。

 本作は「平成ガメラ三部作」とは趣を変え、少年と小さなガメラの交流を軸に物語が展開する。海辺の島で偶然ガメラの卵を拾った主人公・相沢透は、生まれた子ガメラに「トト」と名付け、父に内緒で育て始めるが、やがてトトは巨大化していくのであった。

 夏帆さんが演じた麻衣は、透の家の隣に住む少し年上の中学生。隣り合う2階の部屋の窓越しに言葉を交わすやり取りは、まさに男子憧れのシチュエーションだ。ガメラを育てる透を、不安と優しさが入り交じった眼差しで見守る夏帆さんの自然体の演技が光っていた。

 当時の舞台挨拶で夏帆さんは、「特撮を含めて、すべてが想像以上でびっくりしました」とコメントしている。当時14歳だった彼女にとって、本格的な特撮の現場は、強く印象に残る経験だったはずだ。

■魔女っ子役に宿っていたスターの気配『ブースカ! ブースカ!!』宮﨑あおい

 今年2025年は『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日系)で約13年ぶりに民放連続ドラマへ復帰し、改めて注目を集めた宮﨑あおいさん。

 4歳で子役デビューした彼女は、14歳のときに円谷プロダクション製作の特撮ドラマ『ブースカ! ブースカ!!』第25話「いたずら魔女を捕まえろ!」(1999年)にゲスト出演している。

 宮﨑さんが演じたのは、いたずら好きな魔女っ子・カメちゃんだ。罰として小さな瓶に詰められ川を流されていたところをブースカに助けられ、再び自由の身となる。2つのお団子頭に赤いマントという愛らしいビジュアルで、「チョチョイのサ」という呪文とともに魔法のステッキを振り回し、街中で次々と騒動を巻き起こすキャラクターだ。

 生意気で小悪魔的な振る舞いを前面に出しつつ、その奥にはどこか寂しさも覗かせるという難しい役柄であったが、宮﨑さんは当時からその繊細な感情の揺れを軽やかに表現していた。のちの人気女優の片鱗がはっきりと感じられる1作だ。

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