■日本のクリエイターとは感覚が違う!? 海外ゲーム独特のセンス
リンクスには『カリフォルニア・ゲームズ』というソフトが同梱されていました。サーフィンやBMX、スケートボードのハーフパイプなど……エクストリームスポーツというんでしょうか、いろいろな競技がゲームで遊べました。今でこそオリンピック競技になっていたりもしますが、当時としては斬新な題材が扱われていたんですよね。
海外のゲームの面白さって、日本のゲームとはちょっと違いますよね。日本のゲームクリエイターから見ると、ありえないような内容のものが多いんですが、私はそこが好きなんですよね(笑)。『カリフォルニア・ゲームズ』も、「そんなにリアルな表現にしなくていいじゃん!」みたいなところが笑えます。
たとえば、崖から自転車で転落すると、画面外まで吹っ飛んでって、自転車はもはや見えないんだけど「ザシャー」って音だけ聞こえる。……見えないところでとんでもない目にあってるなってのがわかるんですよ(笑)。
もうひとつ、私がものすごく好きだったソフトが『ゲート・オブ・ゼンドコン』というシューティング。プレイフィールは全然違いますが、パッと見は『グラディウス』のような横スクロールシューティングです。すごく長~いレーザーと、対地上ミサイルとバリアをパワーアップさせながら戦っていきます。
このゲームは、取扱説明書が面白いんですよ! 作った人には申し訳ないのですが、ゲームのことをあまりわかってないまま翻訳してしまったのか、どこかズレている。あまりに熱量のない文章がとてもお気に入りなんです(笑)。
私が所属していたテクノスジャパンでは、海外版のローカライズは私たちクリエイター自身が担当していました。この『ゲート・オブ・ゼンドコン』の場合は、ゲームとは関係のない人が、事務的に翻訳したのかもしれません。ただ、文化や習慣の違いもありますから、もしかすると、私たちがローカライズしたものも、海外の人にとっては違和感があったかもしれませんね。
※ソフトの値段や状態などは取材時のものです。
【プロフィール】
大竹剛(おおたけ・つよし)
「レトロゲーム」に造詣が深い“元ドット絵職人”。ゲームメーカー「テクノスジャパン」で、主に『くにおくん』シリーズにドッターとして参加。現在は「ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店」で店長を務める。本人もレトロなゲームのコレクター。


