【連載】宇内梨沙「ひねもすぬまりぬまりかな」第8回
突然ですが、私……深く心を揺さぶられています。
2025年12月10日、Xでふとこんな投稿を目にしました。
「real Emotion』をフジテレビ初歌唱させていただきます」
投稿主は、歌手の倖田來未さん。『real Emotion』といえば、名作RPG『ファイナルファンタジーX-2』のオープニング曲。
主人公ユウナが召喚士から歌姫に変身し、歌を披露するというオープニングムービーに驚いた方も多いでしょう。私も「ユウナって歌もうまいのか……完璧だな」と、そのパフォーマンスに魅了されたことをよく覚えています。
私にとって『ファイナルファンタジーX』というゲームは“マイベストタイトル”。ですから、続編である『X-2』も同じように思い出深く、『real Emotion』と作中歌の『1000の言葉』は、今でもそらで歌えるほど何度も聴いた曲です。
そんな、2003年に発売された思い出の曲を、2025年の今、地上波で生歌唱!?
私の心は大きく昂ぶり、録画や配信に頼りっぱなしの近頃でしたが、久しぶりにテレビの前でリアタイというものをしました。
結果、倖田來未さんの相変わらずの高い歌唱力。あの時の曲が、あの時の思い出が、蘇り、歌が終わり、ジーンとしていたのでした。
ありがとう倖田來未さん、ありがとう「FNS後夜祭」……。
私にとってスペシャルな日となりましたが、放送時間が来るまで、どうも気持ちが落ち着かず、ずっとYouTubeで『FF』のゲーム音楽を聴いていました。
多くの人にお気に入りのゲームがあるように、お気に入りのゲーム音楽もまたあるはず。それほど、ゲームにおける音楽の存在は偉大。記憶と密接に絡んでいる音楽だからこそ、聴くだけで全てを思い出すことができます。
これまで多くのゲームを遊んできた中で、私が忘れられないゲーム音楽について、勢いのまま、いくつか触れさせてください。
まず、『ファイナルファンタジーX』の『ザナルカンドにて』は「殿堂入り」の名曲。好きな方も多いでしょうから今回は触れませんが、代わりに紹介したいのは『いつか終わる夢』です。
タイトル通り、夢は終わりに近づいている。そんな切なさがメロディから伝わってきます。夢の終わりが何を意味するのか、悲しみを抱えながらこの曲とともに、プレイヤーは最後のステージであるザナルカンドを進みます。
他には、ジェクト戦で流れる『Otherworld』。デスメタル調のバトル音楽です。「これがゲーム音楽!?」と驚くほどのカッコよさ。
レベルが足りないにも関わらず、何度も挑み、何度も敗れたため、この曲を聴きすぎて、気づけば頭を振りながらコマンド選択していました。


