TBS系で絶賛放送中の火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』。モラハラ思考の勝男が、回を追うごとにイイ男へと成長していく姿に「目が離せない」との声が相次いでいる。11月11日放送の第6話は平均視聴率8. 1%をマークし、過去最高を更新。勢いはますます加速中だ。
第6話は、鮎美が結婚願望のない新恋人・ミナトに別れを告げられ家を飛び出す展開からスタート。そして勝男は傷心の鮎美と偶然再会し、お手製の小籠包を通して再び距離を縮めていく。一方で、モラハラ勝男を生み出した両親の「闇」にも触れられた。
主人公の勝男を演じる竹内涼真さんや、その元恋人・鮎美を演じる夏帆さんなど、各キャラのキャスティングもピッタリだという声が多い同作。勝男の周りで彼の価値観に刺激をもたらす柏倉椿(中条あやみさん)と南川あみな(杏花さん)も人気が高いキャラクターだ。
彼女たちは、人の気持ちに不器用な勝男にとってまさに良きアドバイザー。勝男の根底にある優しさを理解しているからこそ、ときに励ましときに厳しく成長を見守っている。今回は、そんな2人の魅力に迫ってみたい。
※本記事は作品の内容を含みます。
■後輩ながら迷う勝男に気づきを与えるよきメンター”南川あみな”
勝男が働く会社の後輩であり、はっきりした物言いで視聴者の人気を集める南川あみな。入社2年目ながら、先輩の勝男にも臆することなく意見を伝える姿勢が印象的で、そんな率直さや芯の強さが多くの人の心を掴む。
南川は、ジェンダーにとらわれず物事を柔軟に考えられる、まさに多様性の時代を象徴する存在だ。だからこそ、“女性はこうあるべき”と価値観を押しつけていたモラハラ全開時代の勝男には嫌悪感を抱いていた。だが、鮎美との別れをきっかけに自分を見つめ直す勝男の姿を目にし、次第に彼を気にかけるようになっていく。
南川が支持を集める理由の一つは、まっすぐで的確な言葉を放つところにある。
たとえば、モツ焼き&コークハイという未知の組み合わせに挑戦する勝男に対し、「決めつけてばっかじゃ新しい世界広がんないですよ。彼女さんにも思い当たるところあるんじゃないですか?」と核心を突く一言を投げかける。また「付き合っていたときの鮎美さんが本当の鮎美さんじゃないのかも」とも語り、その言葉は勝男の心を大きく揺さぶった。
一方で、勝男もまた南川に刺激を与えている。その一つが恋愛観だ。
南川はこれまで恋愛に対してカジュアルで、割り切った関係に身を置くこともあった。だが、勝男から「それって寂しくならないか」と問われたことで考えが揺らぎ、「一途なのもいい」と思うようになっていく。
第6話では、そんな南川の価値観がさらに揺れ動くシーンが描かれた。女の子とデートしているミナトを見かけてストレートに物申した後、彼が鮎美と別れ、心から彼女を想っていたことを知る。そして、「ミナトは本気の恋愛をしない」という自分の決めつけを素直に詫びたのだ。
これまで「人それぞれ」と割り切ってきた南川。だが、「軽い」と思っていたミナトの本心に触れたことで心を動かされ、彼女自身の中にも人を想うことの尊さが芽生えたように思える。
そんな南川を演じる杏花さんは、2007年に8歳で女優デビュー。子役時代には、大ヒットを記録した『JIN』で野風の子ども時代役に起用され(当時は柴田杏花名義)、気の強そうな表情で野風の性格を表現し強い印象を残した。
その後も映画やドラマに立て続けに出演し、現在はフジテレビ系『介護スナックベルサイユ』にも出演中だ。ハマリ役となった南川をきっかけに、今後さらに飛躍していくことは間違いないだろう。
勝男を意味ありげに見つめたり、第4話で「誘いたくなる先輩になった」と飲みに誘ったりする場面が描かれたことから、「もしかして勝男に恋する展開くる?」という声も上がっている南川。個人的にはこのまま良き後輩でいてほしいが、はたして今後何かしらの変化が起こるのだろうか。


