1975年に開始され、世代を超えて愛されてきた特撮『スーパー戦隊シリーズ』。現在放送中の49作目『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』を最後に終了することが報じられ、芸能界をはじめ、各界に衝撃が走っている。
この『スーパー戦隊シリーズ』は、のちに俳優として活躍する人材を数多く輩出してきた“若手の登竜門”としても知られている。一方で、現在は人気声優として活躍している人物が、かつて戦隊シリーズ作品に出演していた例も少なくない。
今回は、「えっ、この人も出ていたの!?」と驚きを呼ぶような人気女性声優たちの、『スーパー戦隊シリーズ』での活躍を振り返っていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■勝気な宇宙海賊ルカを演じた『海賊戦隊ゴーカイジャー』M・A・O
『アイドルマスター シンデレラガールズ』の鷺沢文香、『炎炎ノ消防隊』のアイリス、そして『転生したらスライムだった件』のシオンなど、凛とした強さと包み込むような優しさを兼ね備えた演技で支持を集める人気声優、M・A・Oさん。
そんな彼女の原点は、女優・市道真央として出演した2011年から放送の『海賊戦隊ゴーカイジャー』にあった。本作で演じたのは、ゴーカイイエロー/ルカ・ミルフィ。金銭にシビアで勝気な宇宙海賊という個性の強いキャラクターを、10代後半だった彼女は堂々と演じ切った。
共演したゴーカイブルー/ジョー・ギブケン役の山田裕貴さんとは、“声優好き”という共通の趣味で意気投合したという。当時のインタビューでは、プロデューサーの計らいで他作品のアフレコ現場を見学させてもらっていたと明かしている。現場で芝居を学びながら、同時に声の表現にも興味を深めていったことが、“声優M・A・O”の原点となったのだろう。
さらに2017年には、『宇宙戦隊キュウレンジャー』でワシピンク/ラプター283の声を担当。実写ヒロインと声優としての両方で、異なる作品の“初期メンバー”を務めたのはシリーズ史上初の快挙であった。俳優と声優、双方の現場で磨かれた経験が、彼女の幅広い演技力を支えているのである。
■紅一点のヨーコを体当たりで演じた『特命戦隊ゴーバスターズ』小宮有紗
『ラブライブ!サンシャイン!!』の黒澤ダイヤ役で広く知られる小宮有紗さん。同作から生まれたアイドルグループ「Aqours(アクア)」のメンバーとしても活動し、国内外でライブやフェスにも出演。声優・俳優・パフォーマーとして活躍の場を広げる小宮さんは、まさに現代的なマルチに輝く声優のひとりである。
そんな彼女が特撮の世界でヒロインを演じていたのが、2012年から放送の『特命戦隊ゴーバスターズ』。イエローバスター/宇佐見ヨーコ役として、当時18歳にしてチーム唯一の女性メンバーを熱演。天真爛漫なムードメーカーでありながら、仲間を守る強い責任感も併せ持つキャラクターは、多くの視聴者に強い印象を残した。
本作がドラマ初出演であり、アフレコもまったくの未経験だった小宮さんは、前述したM・A・Oさんも出演していた前作『ゴーカイジャー』のアフレコ現場を見学し、感覚を掴んだという。
初めてのアフレコについては“本当に難しかった”と振り返りつつも、「今は周囲にすごい声優さんがたくさんいらっしゃるので、とても勉強になります。もっと勉強して上手くなりたいです。」と、意欲を語っていた小宮さん。デビュー当時からすでに、“声の芝居”に対する強い探求心を持っていたことがうかがえる。
小宮さんにとって『ゴーバスターズ』は、俳優としての原点であると同時に、“声優としての第一歩”でもあったと言えるだろう。


