ギャップにびっくり!? 俳優・大泉洋が演じた「ダークすぎるキャラ」たち 「冷酷な表情にゾクリ…」の画像
大泉洋  写真/ふたまん+編集部

 10月21日から放送開始される、野木亜紀子さん脚本のオリジナルドラマ『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日系)で主演を務める大泉洋さん。彼のイメージを聞かれて、あなたは何と答えるだろうか。『NHK紅白歌合戦』での司会の様子や、『水曜どうでしょう』などバラエティ番組の印象で、“面白い人”と答える人が多いのではないだろうか。

 そんなコミカルな印象が強い大泉さんは、やはり俳優として演じる役柄も親しみやすいキャラクターが多いように思う。しかし時には、普段の姿とはかけ離れた“ダークな一面”を見せ、そのギャップで視聴者を驚かせることもあるのだ。

※本記事には各作品の内容を含みます

■あの名シーンも再現…『鋼の錬金術師』ショウ・タッカー役

 はじめに紹介するのは、実写映画『鋼の錬金術師』のショウ・タッカー役だ。そう、『ハガレン』ファンにとってはおなじみの、あのタッカーである。

 主人公エドワード・エルリックたちは、国家錬金術師として名高いショウ・タッカーのもとを訪れる。タッカーの専門は「キメラ合成」で、「人語を話すキメラ」を生み出したことが最大の偉業だった。しかしその後は大きな成果をあげられず、査定に怯える日々を送っていた。

 タッカーは妻に逃げられ、娘のニーナと愛犬のアレキサンダーと暮らしていた。明るくかわいいニーナとアレキサンダーは、タッカーの家を明るく照らす存在だ。

 後日、エルリック兄弟がタッカーの家を訪れると、タッカーは興奮した様子で「人語を理解するキメラ」を紹介する。しかしそこに、ニーナとアレキサンダーの姿はなかった。実はタッカーは、1度目は妻を、そして2度目は娘と愛犬を使って「人語を理解するキメラ」を生み出していたのだ……。

 エドワードにその事実を指摘されたタッカーは、「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」と忌々しげに呟く。その表情や声に、後悔や葛藤といった感情はまるで見当たらない。それどころか、激昂したエドワードに殴られながらも薄笑いを浮かべ、「同じだよ、君も私も」と開き直る始末だ。

 最初は大泉さん本人のイメージに近い、“温和で穏やか”な表情が前面に出ていたからこそ、この豹変ぶりには驚かされる。口から血を流しながらにやにやと笑い、エドワードを詰る彼の表情は、不気味そのものだ。

 反吐が出るほど利己的な男・タッカーを演じる大泉さんは、普段の優しげなイメージとは正反対。ギャップに驚くファンも少なくなかっただろう。実写版オリジナルの展開で見せる暴走もまた見どころのひとつだ。

■冷酷そのものの姿に驚き!『東京喰種 トーキョーグール』真戸呉緒役

 続いては、実写映画『東京喰種 トーキョーグール』の真戸呉緒役だ。真戸は喰種(グール)に対抗するための組織・CCG(喰種対策局)に所属するベテラン捜査官である。

 異常な戦闘能力と回復力を持ち、人を殺し食らう喰種は人類の天敵だ。普通の人間が襲われたらひとたまりもない。

 しかし、全ての喰種が好んで人間を食べているわけではない。人間社会に溶け込み、普通の人間として暮らしている喰種も数多く存在する。ましてや主人公・金木研(カネキ)のように、望まずに喰種になってしまった者もいる。

 だが真戸は、そんな事情など全く意に介さない。喰種を心の底から憎み、その排除のためなら手段は問わず、どんな残酷なことでも平気でしてみせる。そんな冷酷な人間である真戸は、「親しみやすさ」とはかけ離れた存在だ。

 だからこそ、真戸の実写版キャストが大泉さんだと判明した際は、驚きの声が多くあがっていた。そして本作には、いつもの大泉さんの面影はなかった。喰種を前にした時の地を這うような声、相手を生き物とも思っていないような視線、容赦のない攻撃からは、あらゆる温情が削ぎ落されているようだった。

 真戸は白髪ロン毛というビジュアル面でのインパクトも強いが、それ以上に、冷酷さとその内に秘めた激しい憎しみが強く印象に残る。コミカル要素一切なし、シリアス一辺倒な大泉さんの姿は、超レアな上に凄味があった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3