ウェディングドレス姿で逃走!?『101回目のプロポーズ』浅野温子に『やまとなでしこ』松嶋菜々子も…「結婚式をばっくれた」ヒロインたちの画像
松嶋菜々子  写真/ふたまん+編集部

 恋愛ドラマが軒並み高い視聴率を記録した90年代。まだインターネットが普及していなかった当時、多くの人々が夜に放送される恋愛ドラマに夢中になったものだ。

 しかし、当時の恋愛ドラマはリアリティを追求したものよりも、どちらかといえばドラマチックな内容が多かったように思う。その象徴的なシーンが、物語のクライマックスでヒロインが結婚式を拒み、本当に愛する人のもとへウェディングドレス姿のまま駆けつけるといった展開だろう。

 ここではそんな往年の名作ドラマのなかから、婚約者との結婚式を直前で取りやめて、愛する人のもとへと走ったヒロインたちを紹介したい。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■ナットの指輪も伝説に『101回目のプロポーズ』浅野温子

 婚約を破棄し、ウェディングドレス姿で本当に大切な人のもとへ駆けつけるという展開を定着させたのが、1991年にフジテレビ系列で放送された月9ドラマ『101回目のプロポーズ』だろう。

 本作は、武田鉄矢さんが演じる冴えないサラリーマンの星野達郎と、浅野温子さんが演じる美しいチェロ奏者、矢吹薫の純愛ラブストーリーである。

 2人の出会いはお見合いだった。達郎は薫にぞっこんだが、薫は亡き婚約者のことが忘れられない。献身的な愛を捧げる達郎に徐々に薫の心も動いていくのだが、そんな薫の前に亡き婚約者と瓜二つの男・藤井克巳(長谷川初範さん)が現れる。

 薫は一時的に克己を選ぶも、最終的に自分に必要なのは達郎であると気づく。そして薫は克己に別れを告げ、ウェディングドレス姿で工事現場にいる達郎のもとに駆けつけるのだ。

 このシーンで薫は「私をもらってください」と、鉄郎に伝えている。つまり、逆プロポーズをするため、克己との結婚を直前でドタキャンした形だ。

 そんな薫に対し「僕にはもう何もありませんよ」と言う達郎。すると薫は工事現場に落ちていたナットを拾い、それを婚約指輪として指にはめ、2人は結ばれるのである。

 数ある月9作品の中でも最高にドラマチックなエンディングを迎えた本作は、最高視聴率36.7%を記録する大ヒット作としても知られている。

 そんな『101回目』は、今年、続編となるドラマ『102回目のプロポーズ』の制作が決まり、薫と達郎の一人娘がヒロインとなることが発表されている。

 はたして新作でも、ウェディングドレス姿で駆けつけるようなドラマチックな名シーンが生まれるのだろうか。今から楽しみである。

■お金よりも真実の愛を選んだ…『やまとなでしこ』松嶋菜々子

 2000年にフジテレビ系列で放送された『やまとなでしこ』は、「愛かお金か」という普遍的なテーマを扱った作品である。

 松嶋菜々子さんが演じる主人公の神野桜子は、美貌を武器に玉の輿を狙うキャビンアテンダントだ。桜子は金銭的に余裕がない幼少期を過ごし、「愛よりお金」という哲学を持っていた。そんな彼女に恋をするのが、堤真一さんが演じる数学研究者・中原欧介である。

 2人は一度は付き合うものの、欧介が金持ちではないと知ると彼女は欧介を振り、大病院の御曹司・東十条司(東幹久さん)のプロポーズを受ける。

 紆余曲折を経て迎えた結婚式当日、桜子は欧介が事故に遭って怪我をしたと聞き、東十条との結婚式を抜け出し、ウェディングドレス姿のまま欧介のいる病院へ駆けつけるのである。

 当初、お金が人生にとって何より大切だと考えていた桜子だが、欧介や周囲の人々とのかかわりを通じて、その価値観が揺らいでいく。その心の変化が顕著に表れたのが、このシーンだろう。

 いつの時代もお金は生きていく上で不可欠なため、ドラマの結末には賛否両論があったかもしれない。しかし、莫大なお金よりも大切な人を見つけた桜子の選択は、多くの視聴者の感動を呼んだ。

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